運営事務局

「世界の女性や子どもが置かれている状況を知る」
パート4 〜教育について〜

今回は、世界の教育についてのお話です。世界には、日本では義務教育である小学校や中学校に通うことができない子どもが驚くほど多くいます。その理由は様々です。そして、教育を受けないことによる弊害は将来に大きな影響を与えます。

1. 義務教育を受けていない子どもたちの現状

小学校入学年齢(6歳〜11歳)になっても学校に通っていない子どもがいます。2018年の時点で、6歳から11歳の子どもたちの8%である5900万人(12人に1人)が学校に通っていないというデータが出ています。

5900万人のうち、男児が2700万人、女児が3200万です。5900万人のうち、半分以上(3200万人)はサハラ以南のアフリカの国々の子どもたち、2番目は南アジアで1300万人の子どもたちです。小学校に通っていない子どもの割合が一番多い国は、南スーダン62%、赤道ギニア55%、エリトリア47%、マリ41%となっています。

2. 教育を受けないことによるデメリット

小学校に通っていないということは読み書きが十分にできないということを示しています。例えば、アフリカでは普段の会話は現地語ですが、英語やフランス語が公用語となっている場合が多く、英語やフランス語を小学校から習い始めます。小学校に行っていないということは、公用語の読み書きができない可能性が高くなります。

アフリカの多くの国では、多数の部族がありそれぞれの部族語を話します。部族語は文字を持っていることが少なく、話し言葉だけで使用されることが多いのが現状です。その場合、どのような弊害があるかというと、文字で表したものの情報が入ってきにくくなるのです。例えば、商品パッケージの文字、病気や子育ての基本的な情報が書かれているパンフレットや薬の飲み方など、日常的に得るべき情報や、教養的な情報はほぼ得ることができない状態となるのです。

そして読み書きができないまま大人になると、仕事に必要な技術や能力を身につけられないため、安定した収入を得られる仕事に就くことが難しくなります。また、話し合いのための資料が読めなかったり、公共の場で自分の名前が書けなかったりするため、社会から取り残される可能性があります。計算ができないと買い物の代金の計算などもできません。

負の連鎖も起こり得ます。学校に行けないと就きたい仕事に就けない、そうすると安定した収入が得られない、十分な食料も買えない、栄養が不足して病気になりやすい、医療を受けるお金がない、仕事ができない、収入がない、自分の子どもを学校に行かせられない、と途切れることなく負の連鎖が続いていくことにもなりかねません。

3. なぜ教育を受けられないのか

小学校から中学校の年齢の子どもは、言葉の理解もある程度できるようになり、体力もついてくるので、働き手と考えられる場合があります。多くは、農作業などに駆り出され、そのうちに学校に通うことができなくなります。また、特に女児の教育は不要であるとされ、家事を手伝わされることもあります。特に、水くみは子どもや女性の仕事であるとされています。

小学校入学時は男女半々の数であったのが、学年が上がるにつれて女児の割合が減ってくるとされています。そのまま家庭の手伝いや、児童婚(18歳より若い年齢での結婚)につながるケースもあることでしょう。

この他、教育を受けられない理由は、近くに学校がないことがあります。学校自体の数が少なく、何時間も歩いて行かなければならない場所にしか学校がないということもあります。学校の先生がいないこともあり、都市部や村落部の学校や先生の数に偏りがあるため学校に通えないということが起こります。また、幼い兄弟の世話や、思い病気かかり学校に通えないケースもあります。戦争や紛争に巻き込まれ、難民として非難しなければならない子どももいます。

4. 子どもが教育を受けるために

子どもたちが初等教育を受けられるように、多くの国では小学校の通学に授業料はほとんどかからないことが多いです。しかし、制服や筆記用具は準備しなければなりません。様々な寄付で学用品が子どもたちに贈られていますが、十分な数ではありません。

親の教育への意識を変える必要もあるでしょう。基本的な読み書きや計算を身につけて、小学校や中学校を卒業すると、職業の選択のための専門学校などに行ける可能性が出てきます。特に、女児が学校に通って質の高い教育を受けることは重要とされています。子どもたちが自分たちの権利と将来の選択肢について理解し、自分の欲求や要求について自由に語れるようになれば、悪しき慣習に向けて発言できるようになり、撤廃できる可能性が広がります。

まとめ

教育は生涯の財産になります。日本では、不登校などの課題はありますが、ほとんどの子どもが小学校や中学校に通っています。識字率(読み書きができる人の割合)も高く、高校や大学への進学率も上がっています。世界の教育の現状を知り、思いを馳せることから始めてみましょう。どうしたら、子どもたちみんなが教育を受けられるようになるのか、ちょっと考えてみませんか。

この記事を書いた人

ツキとナミ運営事務局

この作者の記事一覧

同じカテゴリー の他の記事

  1. 夫婦で読みたい!性の専門家が伝授する産後の夫婦生活のリスタート

    「産後の夫婦生活に関する意識のズレの原因はホルモンバランスの変化だとよく言われますが、それよりも男性による家事育児の非協力度のほうが重大な影響を及ぼしているのではないかと思います」と語るのは、ラブライフアドバイザーのOliviAさん。えっ!家事や育児をどれだけやったかと産後の夫婦生活がつながっているの!?と思った方もいるかもしれませんね。夫婦で一緒にこの記事を読んで、産後の悩みを克服するために、OliviAさん、詳しく教えてください! 監修・話題提供 OliviA(オリビア )/ラブライフアドバイザー大学時代からセクシュアリティの調査を始め、2007年より女性・カップルに性生活の総合アドバイスを行う。日本と台湾で著書出版。日本の性の専門家として「VOGUE JAPAN」でも紹介される。フェムテック・セクシュアルウェルネス・セクシュアルプレジャーが専門分野。近著「セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ」(日本文芸社)他。日本性科学会会員。 産後のセックスレスは男性側の家事育児へのコミット次第 ーー産後の夫婦生活のお悩みでよくあるケースはありますか?  お悩み相談で多い

    もっと読む
    2022年 07月05日
    #コミュニケーション
  2. パートナーと性についてオープンに話し合える関係性を築くには?

    「パートナーと性の話ができている人はほんの一握り」なのだとライブライフアドバイザーのOliviAさんは言います。その一握りの人たちは仲がよく、性生活も充実しているそうです。どうしたらパートナーと性の話ができるような関係性を築けるのでしょうか?OliviAさんにたっぷりと教えてもらいました。 監修・話題提供 OliviA(オリビア )/ラブライフアドバイザー大学時代からセクシュアリティの調査を始め、2007年より女性・カップルに性生活の総合アドバイスを行う。日本と台湾で著書出版。日本の性の専門家として「VOGUE JAPAN」でも紹介される。フェムテック・セクシュアルウェルネス・セクシュアルプレジャーが専門分野。近著「セックスが本当に気持ち良くなるLOVEもみ」(日本文芸社)他。日本性科学会会員。 性についてオープンに話せるカップルは一握り ーー性についてきちんと話ができるカップルは、仲が良くて性生活が充実しているというイメージがありますが、そんなカップルはかなりレアな存在だそうですね 性生活のことについてきちんと話し合いができてコミュニケーションも取れているカッ

    もっと読む
    2022年 07月01日
    #コミュニケーション
  3. 子どもに「赤ちゃんはどこからくるの?」と聞かれたら?|家庭教育研究家 田宮由美先生

    最近、子どもと仲の良いお友達に妹ができ「私も弟か妹が欲しい!」と言われた現役ママライター。 話の流れから「赤ちゃんはどこからくるの?どうしたらできるの?」という質問をされました。その時は「そうだねぇ。どこかなぁ、どうしてかなぁ…」という感じでごまかしてしまったのですが、これってどんな風に応えればよいのでしょうか?家庭教育研究家で家庭教育協会「子育ち親育ち」代表の田宮由美先生にうかがいました。 疑問を持つことを褒める 子どもは真っ直ぐですから、疑問に思ったことは何でも真っ直ぐ質問してきますね。まずは、子どもが「赤ちゃんはどこからくるの?」という疑問を持つことができたことを褒めましょう。 幼い子どもは、生物学的なことや医学的なことに興味を持って、「赤ちゃんはどこからくるの?どうしたら、できるの?」と尋ねているのではないでしょう。「弟や妹が欲しい」という気持ちから、質問しているのです。 「命の尊さ」を伝える この時期に伝えたいことは、「命の尊さ」についてです。一見、困ってしまう質問に思えますが、実は「命の尊さ」について、教えることができる良いチャンスなのですよ! 祖父・祖母から父・母へ受け継がれ、そして子どもたちへと大切に脈々と受け継がれ、つながっていく大切な命であること、そして、その大切な命を自分

    もっと読む
    2022年 06月29日
    #コミュニケーション
  4. ボディポジティブになるためのアイディア10選

    ボディポジティブ(ボディポジティビティ)とは、「自分の身体や見た目をありのままに受け入れて愛する」というムーブメントのことです。たとえば「痩せている=美しい」といった特定の価値観に囚われずに、プラスサイズなどあらゆる体型の多様性を尊重しようという近年の動きを指しています。 女性の多くは、自分の身体を好きになれなかったり、不満を感じていたりします。歯の健康を維持するために毎日の歯磨きが必要なのと同じように、私達の考え方を変えるには毎日の積み重ねが必要なのです。 セルフケアを実践してボディポジティブになるためには、どんなことから始められるのでしょうか? 今日からできるボディポジティブ この記事ではボディポジティブになるために、10の方法を挙げています。 1.友達に言わないネガティブなことは、自分にも言わない2.他人を褒める3.自分への褒め言葉を受けとる4.身体に合わない服を手放し、心地よくなる服を着る5.自分を他人や若い頃の自分自身と比較しない6.「痩せた人は幸せ」という考えを見直す7.自分の身体にとって心地よいことをする8.自分自身にポジティブな言葉をかける9.身体を恥じることが有意義かどうか自分自身に問いかける10.ポジティブさで自分自身を包む それぞれ詳しく解説していきます。 1. 友達に言

    もっと読む
    2022年 06月28日
    #PMS
  5. 子どもの自尊感情を高める効果的な褒め方って?|家庭教育研究家 田宮由美先生

    前回の記事では、ジェンダー平等を家庭で伝える大切さを取り上げましたが、自尊感情が低くなると色々なことがうまくいかなくなる、というお話がありました(子どもの自尊感情を高める効果的な褒め方って?)。自尊感情とはそもそも、どのような感情なのでしょうか?また、子どもの自尊感情を普段の生活の中で育む伸ばすにはどうすればいいのでしょうか?家庭教育研究家で家庭教育協会「子育ち親育ち」代表の田宮由美先生に、子どもの効果的な褒め方についてポイントをうかがいました。 子どもが頑張っている姿を認める 自尊感情とは、自分で自分を積極的に認め、自らの価値や存在意義を肯定できるような感情です。簡単に言うと、自分自身のことを好きだと思う感情です。 それを育むためには、まず周りの大人が、子どもの行動を認めてあげることが大切です。勉強でもスポーツでも遊びだって、どんなことでもいいです。子どもが頑張っている姿を認めてあげましょう。他者に認められることで、自分の存在を認めることができてくるんですよ。 認めてもらうことは、確かに大人でも嬉しいものですものね。それが成長過程にある子どもなら、なおさらだろうと思います! 「結果」だけでなく「過程」を褒める ですが、ひとつ気を付けてほしい

    もっと読む
    2022年 06月27日
    #コミュニケーション
  6. 子どもに「ジェンダー平等」を伝えるために、家庭でできることって?|家庭教育研究家 田宮由美先生

    男女共同参画社会基本法の施行など大きく転換しつつある社会情勢の中で、ジェンダー平等であることは当たり前になりつつあります。 しかし、日常生活の中ではまだまだ「男らしさ」や「女らしさ」が求められる場面に出くわすことがありますよね。これからのジェンダー平等の社会で生きていく子どもを育ていくうえで、親はどのようなことに気をつければよいか、現役ママライターが家庭教育研究家で家庭教育協会「子育ち親育ち」代表の田宮由美先生にお聞きしました。 「男の子だから」や「女の子だから」という価値観 まだまだ 「男の子なのだから、メソメソ泣かないの」「女の子なのだから、お料理を手伝って」 なんて、日常のふとした時に口をついてしまうお母さんやお父さんも多いですよね。現役の親世代の人たちにも、ずっと昔から脈々と受け継がれてきてしまった性を区別する価値観が根付いてしまっている部分はあると思います。 しかし、これからの時代は男の子だから、女の子だからではなく、個性としてそれぞれの考えや行動を認めることが大切です。 時代に沿った価値観や教育ですから、お母さま世代の方が「男の子だから、女の子だから」とそういう価値観を持ってしまっても仕方ない部分はあると思います。幼い頃から、男らしさや女らしさを言い聞かせると、子どもの心の中に浸透してしまいます。お母さまが実際、そうなのだと思います。 「性別らしさ」に合わない自分を責めてしまう

    もっと読む
    2022年 06月26日
    #子育て
同じカテゴリー の記事をもっと読む
TOP