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7月 13. 2021

助産師さんが語る「世界の女性や子どもが置かれている状況を知る」パート5 〜安全な水【後編】〜

前回は、安全な水とは何か、アフリカの水にまつわるエピソードを紹介しました。今回は、水くみは家事の一部であること、安全な水がない場合に起こりうること、安全な水が利用できない人々の現状、水くみにおけるその他の問題、私達にできることなどについてお話します。

1. 水くみは家事の一部

水がないと洗濯、食事、洗い物、水浴び(体の清潔)ができません。家族が使用する水を手に入れないと、たちまち生活に困ってしまいます。井戸やポンプなどで水が手に入るなら、まだ良いといえるでしょう。

なぜなら、雨不足や干ばつで井戸水が枯れてしまったり、きれいな水でなく濁っていることもあったりして、きれいな水が手に入らないことがあるからです。でも、手に入るならその濁っている水を使っていくしかありませんが、そこで何が起こるでしょうか。そうです。病気です。

2. 安全な水がなく病気になる

安全な水が手に入らない場合、下痢や皮膚病、寄生虫など病気になることがあります。手洗いができず、水浴びも難しいかもしれません。できたとしてもきれいな水ではない場合は、感染症にかかることがあります。安全でない水を飲んだ場合は、下痢になり小さな子どもでは下痢が続き脱水を起こして、死に至ることもあります。

水を煮沸して殺菌する習慣がなかったり、そのことを知らなかったりするかもしれません。殺菌方法を知っていても、煮沸するための薪がないこともあります。井戸を使用しているエリアでは、ガスなどのコンロを使用していることも少なく、木や炭を燃やして料理します。当然燃料にも費用がかかり、際限なく使えません。そのため、煮沸して飲む習慣がないとそのまま飲んでしまうのです。

井戸がなく、または井戸が遠くて近くに川がある場合、その川の水を飲み水として利用している人もいます。家の位置によっては、川の上流で洗い物や洗濯をしていることもあります。流れているとはいえ、あまりきれいな水ではないですね。しかし、身近にある水が汚いと感じてもその水しかない場合は、その水を飲むしか選択肢がないのです。

また、下痢をしていてもトイレがないこともあり、道端や草むらで用を足す地域もあります。トイレがあっても、その後の手洗いや汚物の処理が衛生的でない場合は、やはり感染源となってしまいます。

3. 安全でない水の現状

UNICEFが発表している2017年のデータによると、次のような現状です。

・22億人が安全な飲み水を飲めない。

この内の1億4400万人は河川や用水路などの未処理の水を利用している。

・42億人が安全なトイレが使用できない。

このうちに6億7300万人以上の人は、トイレがなく屋外で用を足している。

・30億人が石鹸や水による基本的な手洗い設備を持っていない。

4. 水くみにおけるその他の問題

水くみは、家と水源の距離によって、時間がかかります。また、どれくらいの家族がいるかにもよりますが、一日に数時間、あるいは1日の殆どを水くみに費やす子どももいます。そのため学校に通えなかったり、重労働のため体力を奪われたりします。また、水源までの道が人通りが少なく危ない道の場合は、レイプなどの被害に合うこともあります。教育の機会が奪われることによって、貧困の連鎖に陥るリスクも含んでいます。

5. 私達にできること

水道を作ってあげたい、水を分けてあげたいと思いますが、そう簡単にすぐには実現しません。では、私達には何ができるでしょうか。まずは、現状を知り水を大切にすることではないでしょうか。水を流しっぱなしでシャワーや歯磨き、手を石鹸で洗うことをやめて、まずは水を止めてから次の行動に移ってみてはどうでしょうか。必要な水の量を見極めて使っていくことくらいは、それほど難しくはないはずです。水を使うときに、世界には安全な水を使えない人がいることを少し思い出してもらえればと思います。

まとめ

水は人間にとってなくてはならないものです。安全な水が自由に使えない地域があること、安全な水がないことによる弊害があることを知り、自分たちにできることは何かを考えて頂けたらと思います。私達が当たり前に使用している安全な水が、当たり前に存在しないという環境にいる人たちがいます。世界の水の問題を解決することは、その土地の子どもの課題をも解決する糸口となっています。

【参考文献】

1. unicef 「ユニセフの主な活動分野・水と衛生」

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WRITER PROFILE

ツキとナミ 運営事務局
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