「世界の女性や子どもが置かれている状況を知る」パート15 〜災害と子どもの心のケア【前編】〜

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今回から3回にわたって、災害と子どもの心のケアについてお話します。災害は、いつ、どこで起こるかわかりません。災害に備えておくことは非常に大切です。その上で、災害に遭ってしまった場合の子どもの心のケアを中心に紹介していきたいと思います。

1. 災害とは

災害とは、自然災害(地震・台風など)や人的災害(紛争・交通事故など)をいいます。

2. 心の傷

身体に傷を負っておらず実際に災害を体験していなくても、身近な人が災害で亡くなったり、テレビなどの映像を見たりして衝撃を受けると心の傷となることがあります。これを「トラウマ」「心的外傷」と呼びます。

3. 被災した子どもにはどんなことが起こるか

子どもは被災した後、起きたできごとを十分に理解できず戸惑うでしょう。戸惑っている気持ちをも表現できないことも多いものです。どのように表現すればよいのかがわからないのです。

世界では、様々な自然災害や紛争が起こり、難民キャンプや避難場所に避難している子どもたちがいます。避難さえできず、子どもを十分にケアできる場所がないことも多くあります。また避難できたとしても、避難場所やキャンプ内での差別、レイプ、暴力などが横行していることも事実です。避難している人たちの中でこのようなことが起こり、女性や子どもが被害を受けていることが多い傾向です。狭く閉鎖的なコミュニティのため、外部にその状況が出づらい状況です。残念ながら、阪神・淡路大震災のときも性暴力の被害が報告されています。

4. 子どもの心のケアで4つの大切なこと

子どもの心のケアで大切な4つのことについて紹介します。

①安心感を与える

子どもに寄り添い、訴えに耳を傾けましょう。スキンシップを増やし、子どもの不安を笑わずに聴きましょう。疑問には、「ここは安全だから大丈夫」という言葉と共に簡潔に答えるとよいでしょう。答えがわからないときは、「わからないけど、様子を見よう」などの言葉でも構いません。

子どもが思っていることを言葉に出すこと、それを聞いてくれる人がいるということが大切です。言葉を話さない年齢の子どもにも、安心感を与えるように話しかけてあげましょう。大人の表情や声のトーン、仕草から安心感を得られるでしょう。子どもの話を途中でやめさせたり、否定したりしないようにしましょう。大人もどのように接したら良いかわからないかもしれませんが、隣に座り、または抱っこして静かに過ごすだけでも安心感を得る助けになるでしょう。

②日常を取り戻すことを助ける

可能な限り普段の習慣や日常を取り戻せるようにしましょう。食事や歯磨き、睡眠などの習慣を保つことは子どもたちの安心に繋がります。また、子どもの遊びはとても大切なことです。子どもが遊べる環境を準備して、子どもたちの苦しい気持ちを開放できる場を作りましょう。

③被災の様子や映像を繰り返し見せない

被災の映像や画像を繰り返し見せないことも大切です。特に小さな子どもは、映像と一緒に語られる言葉が理解できずにより大きなショックを受ける可能性があります。その映像が録画映像だったとしても、「今どこかで起こっていること」「自分の近くでも起こるかもしれない」と思ってしまいがちです。

インターネットを操作できる年齢の子どもたちは、被災の映像を見る機会が増えるかもしれません。その時間が長いと感情のコントロールができないほど感情移入してしまうリスクがあります。可能な限り、お気に入りのDVDなどを見せるなどの工夫をしましょう。

④子どもは自分で回復できる力を持っている

「子どもの元気がない」「イライラしている」「好きなことをしなくなる」「怖い夢を見る」「ご飯を食べない」「保育園や学校に行きたがらない」「親から離れたがらない」などの様子が見られた場合、親としても気になるものです。子どもが被災後に一時的にこのような様子になることは、正常な反応です。日常を取り戻す努力し、スキンシップや安心感を与えられるような関わりを持ち様子を見守ってください。

次回は、被災した子どもに起こる反応を年齢別に示し、その対応策をお話します。

【参考文献】

1. ユニセフ「災害時と子どもの心のケア」

2. 日本小児科医会「もしものときに…子どもの心のケアのために」

3. 小児科医会「子どもと災害」

この記事を書いた人

ツキとナミ運営事務局

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