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7月 12. 2021

助産師さんが語る「世界の女性や子どもが置かれている状況を知る」パート4 〜安全な水【前編】〜

皆さんは、「安全な水」と聞いてどんなことを想像しますか?「ウォーターサーバーの水」「ペットボトルのミネラルウォーター」などでしょうか。「水道水もきれいかな」と思う人もいるかもしれませんね。

SDGsで語られている水は、簡単にいうと「飲んでも健康に影響がない水」「十分な量の水」などについてです。世界には、安全な水が手に入りにくい地域や国があります。そのために毎日の生活に困ったり、健康を害したりして最悪の場合は死に至ります。今回は、「安全な水」について2回にわたって紹介します。

1. 安全な飲水

WHO/UNICEが行っているSDGsモニタリングにおける「安全な水」(safely managed drinking water supply service)とは、次の条件を満たす「飲料水供給サービス」です。

・改善された水源(水道、深井戸、保護された浅井戸、湧水、雨水)

・敷地内にある

・必要な時に入手可能で( 1日12時間以上利用可能)

・汚染されていない(便や有害な化学物質(砒素、フッ素)など)

これらは、Accessibility(利用しやすさ)、Availability(利用できること)、Quality(質の良さ)の3つの要素から成り立っています。ここで、みなさんがイメージしている水とはちょっと違うと気がつくかもしれません。でも、「敷地内にある」「12時間以上利用可能」など、どんな状態かわからない方も多いでしょう。その状況を目にしたことがない方は当然です。どのようなことが説明していきましょう。

2. アフリカのある国のエピソード

これは、あるアフリカの国のある地域のお話です。

① ポンプ式の井戸

アフリカのある数百人〜千人規模の村落には、だいたい井戸水を汲み上げるポンプ式の水道があります。それは、一般的に水道とは呼びません。どちらかというと、井戸という方が近いイメージです。村落にはポンプ式井戸が1つだけ、あるいは数箇所あるということもあります。

村落の広さは様々です。井戸と家との距離によりますが、井戸まで1時間ほどかけてタライを持って徒歩で水を汲みに行く人もいます。1日に何度も、朝早くから日中の暑いときも、夕方もです。

② 水くみは子どもや女性の仕事

アフリカでは、水くみは女性や子どもの仕事であり、男性が水くみを行うことはほぼありません。なぜなのでしょうか。女性と男性に聞いてみたところ、「女性や子どもの仕事だから」と言っていました。女性も小さい頃から水くみをしていて自分の仕事だと捉えているのでしょう。また、どんな小さな子どもでも水遊びをすることはなく、水を無駄にすることはありません。

③ たくましい姿 

水くみの回数は、家族の人数や洗濯物の多さなどによりまちまちです。3歳前後の小さな子どもも、兄弟や母親と一緒にボウルくらいの小さな入れ物を頭に載せて水を運んでいきます。とても可愛らしい健気な姿ですが、その体験は壮絶だと推測できます。

水をこぼさないように、長い距離を歩くのは非常に難しく、体力も時間も使います。歩く振動で入れ物の水が揺れてこぼれてしまうため、できるだけ振動を与えずにバランスを保って歩く必要があります。コツを掴んでうまくなると、丸めた布を頭に載せ緩衝材にしてその上にタライを載せ、リズムよく歩いて行きます。

タライを頭に載せる作業も一苦労です。しかし、彼女たちはそれぞれ協力し合って水くみが終わった人の頭にたらいを載せるのを手伝います。最後の人は、器用に持ち上げます。慣れていないとできない技です。

ほんの小・中学生くらいの年齢の女の子たちが、この力仕事を担っている姿を見るのは複雑です。しかし、彼女たちは非常に明るく、ときには歌を歌って、ときには笑い転げながら水くみをしています。母親となっている女性たちも井戸端会議そのもので、日々の情報交換(テレビやインターネットはない)をして、おしゃべりを楽しんでいるように見えます。たくましい姿ですが、体への負担は非常に重いはずです。

まとめ

今回は、安全な水とアフリカの水にまつわるエピソードを紹介しました。次回は、水くみは家事の一部であること、安全な水がない場合に起こりうること、安全な水が利用できない人々の現状、水くみおけるその他の問題などについて紹介します。

【参考文献】

1. unicef 「ユニセフの主な活動分野・水と衛生」

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WRITER PROFILE

ツキとナミ 運営事務局
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