反面教師にしてください!
こんな教育をされて嫌だった
~30歳を過ぎた今でも嫌な気持ちを思い出します~

「なんでこんな簡単なこともできないの!」
「あんたなんかママの子じゃない!」

しつけのつもりで、あるいはついつい自分の感情の赴くままに、子供にこのような言葉を投げかけていませんか。確かに、子育てはストレスフルです。「これだけはやらないでほしい」というようないたずらを、絶妙に最悪なタイミングでやってしまうのが子供です。しかし、マイナスの感情をそのまま子供にぶつけるのは非常に危険です。
私は教育の専門家でも、子育ての専門家でもありません。しかし、私というサンプルを通して一つだけ確かなことは、「親が放った何気ない一言が、いつまでも取れない『棘』のように心に残り続ける」というケースがあるということです。

私は現在30歳を超えております。自分で言うのも何ですが、周囲から明るくてコミュニケーションが上手な人間と映っているはずです。しかし、そんな私でも幼少期に母から言われた言葉に未だに苦しめられています。
本記事では、「私が言われて嫌だった言葉」や「その言葉が私に与えた影響」をお伝えします。ぜひ、反面教師としてください。くれぐれも、自分の子供にはマイナスの感情をぶつけてはいけません。

読者の方へ

子供の心を傷つける発言は、いつまでも心に残り続けます。
子供への発言や接し方には十分気を付けましょう。

家庭環境の紹介

簡単に、私の家庭環境を紹介します。私の父は国立大学出身で、上場企業に勤めておりました。対して母は、公立中高から女子大に進み、卒業後は中小企業で働いていました。母の家族はいわゆるエリート揃いであり、姉は国立大、妹は医者という家系でした。

強烈な学歴コンプレックスを、私への異常な教育熱に昇華させてしまったのでしょう。若干3歳だった私に割り算を教え、少しでもつまずくと烈火のごとく怒りました。私は小学校1年生の時に、自分の意志とは無関係に受験塾に入塾しました。小学生時代、放課後に友達と遊んだ記憶がほとんどありません。

きっと母自身も辛く、プレッシャーと戦っていたのでしょう。しかし、このように母と自分の関係を客観的に把握できるようになったのは、私自身が一児の父になってからです。幼少期はただの「口答えなどできない、厳しいお母さん」であり、常に支配されている感覚がありました。

自己肯定感を下げる発言

ここからは、私が母に言われて嫌だった、かつその後の人生に影響を及ぼしている発言を紹介します。

「頭が悪いんだから、勉強したって無駄」

私は、常に自己評価と他己評価が一致しない子供でした。いつも心のどこかに「頭が悪いから努力したって無駄」という感覚がありました。自己肯定感が非常に低かったのです。
原因は、母に言われたある言葉がきっかけだと認識しています。幼少期から塾に通っていたので学校の成績は悪くはなかったです。しかし、3歳の時に割り算ができなかったときに母から「頭が悪いんだから勉強なんかしたって無駄」と言われたことが原因で、「自分は頭が悪いんだ」と思い込んでいました

このように、自己肯定感が著しく低くなってしまい、中学に入学して以降は、困難があるとすぐに嘘を吐いて逃げ回るようになってしまいました。「自力では頑張っても乗り越えられない」と常に心のどこかで思っているのです。人格や能力を否定する言葉は掛けるべきではなかったと、強く思います。

「なんでこんな簡単なことができないの?」

当たり前ですが、子供と大人は違います。水を注ぐ、こぼさず食べる、あるいは大人から見たら当たり前すぎるような簡単な算数の問題であっても、解けないこともあります。見たことも聞いたこともない新しい仕事に最初からうまく対処できないのと同じで、子供にとっては基本的にすべてが「経験のない新しい出来事」です。うまくいかないのは当然なのに、ついつい大人と同じ目線で考え、「(大人である自分から見たら)こんなに簡単なのに、なんでできないの?」と言ってしまっていたのでしょう。

少なくとも私は未だにこの言葉を怒鳴る母親の口調を脳内で正確に再現でき、そのたびにすごく嫌な気持ちになります。一種のトラウマになっており、同発言をする人間を今でも強く嫌悪します。

能力を遥かに上回る問題を、怒られながら無理矢理解かされていた自分を、無条件でただただ可哀そうに思います。感情の赴くままに否定的な言葉を投げかけるのではなく、「難しい?じゃあこういう風にやってみようか」と辛抱強く考えさせてほしかったです。

「楽しいこと」や「やる気」を否定する発言

「こんなものを見ていたらますますバカになる」

当時大流行していたバラエティ番組「学校へ行こう!」を見ていると、母が必ず「こんなものを見ていたらますますバカになる。くだらないものを見ている暇があったら勉強しなさい」と言って、強制的にテレビを消しに来ました。
強い怒りと反発心はもちろん、小学校で話の輪に入ることができず、悲しい思いをした記憶が鮮明に残っています。

大人から見たら若者の文化を受け入れられないこともあるでしょう。私は2020年にヒットした曲よりも、90年代の音楽の方が好きですし、「優れている」とさえ思っています。TikTokは受け入れることができませんし、ユーチューバーに憧れる気持ちも正直よくわかりません。しかし、子供に大人の価値観を強要すること、まして子供が楽しいと思っていることを頭ごなしに否定する発言は絶対にNGだと考えています。できるだけ子供が心を寄せている文化を理解し、一緒になって楽しむくらいの気持ちで接したいと思っています。

「手伝いなんてしなくていいから勉強しなさい」

小学生の家庭科の授業で「家のお手伝いをしましょう」という宿題が出ました。母に褒められたかったですし、母の喜ぶ顔も見たかったので、お使いや料理の手伝い・風呂掃除を申し出ました。しかし、母からは「そんなことしなくていいから1分でも多く勉強して」と冷たく言われました。宿題の報告をするシートには、「〇月××日にお使いに行きました。お母さんはとても喜んでくれました」という嘘を泣きながら書いたのを覚えています。
子供の温かな気持ちを無下に否定するようなことは絶対にしてはいけません。

おわりに

~母の発言が私に与えた影響と、すべての親や指導者に伝えたいこと~

上記の通り、主に小学生の時に母から投げかけられた言葉の数々により、私は中学に入ってから母のことが「嫌い」になりました。反抗期のレベルを遥かに超えた暴言を母に吐くようになったのです。
事あるごとに「あの時に言われた発言は本当に嫌だった」と母に恨みつらみを伝えるようになりました。「そんな性格だから一人も友達いないんだよ」「人生で一回も真剣に勉強したことないくせによく俺の勉強に口出しできるよね」のような言葉を、今度は私が母に吐くようになりました。明確に「母を傷つけたい」という悪意を持っていました。父や兄弟、友人との関係が良好だったことを考えると、やはり「母への仕返し」的な意味があったのだと思います。

誤解のないようにお伝えしますが、母は私を、私は母を愛しています。今でこそ関係は良好ですが、私を現在進行形で苦しめている幼少期の記憶があるせいで、私は母を人間として100%信用できていません。
私は自分の子供の面倒を母に見てもらいたくないと思っています。悪意ある言葉を投げかけ、私の子供を傷つけてほしくないからです。

最後になりますが、私の事例を反面教師にしてください。子供の目線に立ち、自己肯定感を高めてあげて下さい。子供が手伝いを申し出てきたら褒めてあげてください。
私は「自分がされて嫌だったこと」は、愛する息子には絶対に繰り返さないと心に誓っています。

この記事を書いた人

ツキとナミ運営事務局

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