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5月 7. 2021 パートナー育児

新しい性教育の「年齢別マップ」

以前、ユネスコが作成している「国際的セクシュアリティ教育ガイダンス」に関してご紹介しましたが、今回はその中に書かれている「年齢別性教育マップ」として「何歳頃、何を教えるか」という内容に関して、細かくご紹介できたら、と思います。

ただし、「国際的セクシャリティ教育ガイダンス」における「性教育」の内容は非常に幅広いものとなっていますので、ここでは主に「からだの発達」についてのみ、紹介していくこととします。

ただし、お子様の成長には個人差がありますので、このマップはあくまでも参考に、お子様に直接お話をして、様子を見ながら伝えていくようにしましょう。

●性教育は何度も何度も行う、たくさんの学びの積み重ねです!

元々、日本での性教育は「小学校5年生くらいで、学校で一度だけ簡単に習っておしまい」だったことから「何度も繰り返し性教育を行う」と言われてもピンと来ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ですが、性教育は「一度教えたから終わり」ではありません。特に幼い子どもの場合は、実際に目の前にあるものや、体験したこと以外はなかなか理解できない、という特徴もありますので、「一度教えたから理解しているもの」とは思わず、「何度も丁寧に伝えていくこと」が大切です。

また、「似たような内容の質問」も「3歳のときと4歳のとき」では、ものの見方・捉え方は全く違ってきます。

●性教育でいちばん大切な時期は3歳から10歳まで?

最近では「性教育でいちばん大切な時期は3歳から10歳です」と国際基準では言われています。

この時期も「性教育のベースを作る時期」として、もちろん大切なのですが、それと同じく「11歳から18歳頃までの思春期(※)」も同じく大切な時期に当たります。

この時期には身体も大人もどんどん大人になっていきますから、その都度教えていきたいこともたくさんあります。

※思春期とは一般的には「子どもが大人へと成長するための移行期間」を指し、8歳頃から17-8歳までの時期のことです。

●実際に性教育マップを見ていきましょう!

「性教育マップ」は5段階に分けられています。詳しく見ていくことにしましょう。

*LEVEL0
1〜4歳 からだの名前を覚える

この時期には、絵本などを使って、からだの名前を教えることで、自分のからだへの興味を持つようにさせましょう。

実際に、異性の兄弟や保育園に通われているお子さんでは、2歳頃から「どうして私のからだとあの子のからだは違うのだろう」と興味を持つ子もいるようです。
その際に、質問されたら「男の子と女の子の違い」などを丁寧に教え「ただ単に違うだけで、どちらがいい、悪いではない」ということも、教えるようにしましょう。

*LEVEL1
5~8歳 赤ちゃんがどこから来るのか

・卵子と精子が結合して赤ちゃんができるということ
・出産には、排卵、受精、受胎、分娩などの多くの段階があること

この時期になると、学校でも簡単な「性教育」を行うところもあるようです。
ですが、家でもしっかり、繰り返し「どうやったら赤ちゃんができるか」を教えるようにし、その際に「あなたはとても大切な子なのよ」「赤ちゃんが生まれるということは、とても大きな出来事なのだよ」ということも教え、「命の大切さ」もしっかりと伝えるようにしましょう。
ここで「一人ひとりが大切な存在で、命というとても大切なものをもらって、生まれてきた」ということをしっかりと理解していれば、自分のことも、周りの人のことも、大切にするようになりますので「赤ちゃんが生まれるにはセックスが必要だ」などの意味ではなく「命の大切さ」を教えるため、という発想で、しっかりと丁寧に教えるようにしましょう。

*LEVEL2
9~12歳 どのように妊娠するのか、避けられるのか

・無防備な性交は、妊娠や、HIVなど性感染症にかかる可能性がある
・コンドームなどの避妊具を正しく使用すると、妊娠や性感染症を防げる
・低年齢での結婚・妊娠・出産には健康上のリスクがある
・HIV陽性の女性も健康に妊娠でき、赤ちゃんへの感染リスクを減らす方法がある

この時期になると、小学校高学年に入りますから、実際に男女ともに大人のからだへと徐々に変化していきます。
幼少期とは理解力も違ってきますし、学校での性教育も行われますので、それに加えて「自分の身体を大切に」「相手の身体も大切に」ということを丁寧に教えていくことにしましょう。

*LEVEL3
12~15歳 妊娠の徴候、胎児の発達と分娩の段階

・妊娠には、検査で判定できる徴候や症状がある
・妊娠中の栄養不足、喫煙や飲酒、薬物使用は胎児の発育にリスクがある

中学生頃の段階です。
保健体育などでも性教育を受けますので、それに加えて、上のようなことを教えていくようにしましょう。
話しづらいのであれば、内容の書かれた冊子などを渡すだけでも効果があります。
また、スマートフォンを持ち始めるので、性的なトラブルに巻き込まれないようにするなども説明し、普段から「何かあったら相談しやすい」環境を作っておくことも大切です。

*LEVEL4
15~18歳 生殖・性的機能・性的欲求の違いを区別

・パートナーとの性的関係で、双方の合意はいつも必要
・意図しない妊娠や性感染症を防ぐ方法を事前に考える
・すべての人に生殖能力があるわけではない
・不妊に取り組む方法

この時代になると、大人の身体へと随分以降してきます。
「性的なことにものすごく興味がある人もいるけれども、そこまで興味がないことも普通だし問題ないのだよ」など、引き続き「自分の身体も相手の身体も大切に」ということを教えるようにしましょう。

また「すべての人に生殖能力があるわけではない」ということも、とても大切なテーマとなります。
歴史上、日本では「結婚して子どもを持つこと」が良し、とされてきた背景がありますので、「女性は結婚して子供を産むものだ」という固定観念をもってしまっていることがあります。また、妊娠を希望していても妊娠が難しいこともあります。

ここでしっかりと「誰もが子どもを持てるわけではない」ということを教えておかないと、その後、子どもを持っていない友人に対して失礼なことを言ってしまう可能性や、「子どもを持つことが偉いことである」などのような勘違いさえ生まれてしまいます。
また、中には「施設で育ったので、将来子どもを持つことに不安がある」方や「虐待されて育ったので、子育てをすることが不安だ」という方も、いらっしゃります。
「どんな考えの人」がいても、その人の考えや感じ方を尊重することが大切です。

「結婚する、結婚しない」「子どもを持つ、子どもを持たない」なども全て自分の判断に委ねられ、どのような人生を選んでも、あなたの自由ですよ、ということを丁寧に教えるようにしましょう。

以上、簡単ですが「性教育マップ」に関してご紹介させていただきました。
あくまでも参考に、この段階に合わせて、幼少期から性教育をしていただけたら、と思います。
しっかりとした性教育をすることにより、誰もが一人ひとりに合った、実りの多い人生を歩んでいかれることを応援しております。

参考資料

「親子で話そう!性教育」浅井春夫 (監修)、 艮 香織 (監修) 2020年6月5日

国際セクシュアリティガイダンス

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ツキとナミ 運営事務局
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