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3月 17. 2021 パートナー育児

性教育の最新版!「包括的性教育」ってどんな内容になっているのでしょうか?

「性教育の後進国」と言われてしまっている日本ですが、国際交流やスマホの広がりを受け、徐々に「国際レベルでの性教育の必要性」が受け入れられつつあります。

これを読まれているご家族の学生時代を振り返ってみて、実は同級生の中の「10人に1人はLGBTQ・性的少数者だった」と考えると、おどろかれるのではないでしょうか?

LGBTQや性的少数者の方のなかには「身体は男性だから、我慢して結婚をした」という方や「同性を好きになったが、そんな自分はおかしいのではと思い隠して生きている」方など、根深い問題があり「誰からも理解されないこと」に苦しみ、自殺してしまったような方も多くいらっしゃるのです。

そんな経過を経て、日本でも徐々に「いろいろな人がいるのだよ」という「多様性の時代」に入りつつあり「多様性」を教えるためには「性教育」は欠かせないものとなっています。

元々日本では「性教育=性感染症や子供を産むことについて」くらいの認識があるようですが、実は世界規模で見た「性教育」は「人権や人間関係など生きるために必要な知識」になっています。

今回は、そんな「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」を元にした「包括的性教育」に関して簡単に見ていくことにしましょう!

●「国際的セクシュアリティ教育ガイダンス」って一体何なのでしょうか!?

元々初版は2009年に出され、国連合同エイズ計画(UNAIDS)、国連人口基金(UNFPA)、国連児童基金(UNICEF)、世界保健機関(WHO)の協力の元にユネスコ(UNESCO)が作成しました。
基本的に、他の国々はこれらの内容を元に性教育を行っていますが、残念ながら日本の教育会ではまだ取り入れられていないのが現状です。

最新版は2018年に国連女性機関(UN Women)が追加して、10年の成果を踏まえ、作成されました。
ポイントとしては「性教育とは身体のことだけではない」とされており内容は8つのキーコンセプトからなるとても「包括的」なものとなっています。

また「家庭や学校、施設、地域、行政など様々な場所から性教育を進めましょう」という内容や、0歳から18歳までの年齢を4つのグループに分け、段階的に内容を整理し、何度も繰り返し教えることの重要性を説いています。

また、お子様に対して、おとなや社会の「こうあるべき」を教えるのではなく「学ぶことは自分が自分らしく生きるために大切な権利です」と教えることも「性教育」の一環となっており「色々なことを学ぶことによって、自分で自分の生き方を自分らしく決めていく」ことも目的の1つになっています。

●「性教育」って実際にはどんな内容なの?

性教育

先ほどお伝えした「8つのキーコンセプト」にあるように、性教育の内容は非常に広くなっています。
今回は「え、性教育ってこんなにも奥が深くて大切なものなんだ」と思ってもらうために、その内容を簡単にご紹介します。

是非ともじっくりとご覧いただき、この「8つの側面」から、お子様に「生きていく上で大切なこと」を教えるようにされてみてはいかがでしょうか?

*人間関係

  1. 家族
  2. 友情・愛情・恋愛関係
  3. 寛容・包摂・尊重
  4. 長期的な関係性と親になること

*価値観、人権、文化、セクシュアリティ

  1. 価値観とセクシュアリティ
  2. 人権とセクシュアリティ
  3. 文化、社会、セクシュアリティ

*ジェンダーの理解

  1. ジェンダー・ジェンダー規範の社会構築性
  2. ジェンダー平等、ステレオタイプ、ジェンダー・バイアス
  3. ジェンダーに基づく暴力

*暴力、安全の確保

  1. 暴力
  2. 同意、プライバシー、からだの保全
  3. 情報コミュニケーション技術(ICTs)の安全な使い方

*健康とウェルビーイング(幸福)のためのスキル

  1. 性的行動における規範と仲間の影響
  2. 意思決定
  3. コミュニケーション・拒絶・交際のスキル
  4. メディア・リテラシーとセクシュアリティ
  5. 援助と支援を見つける

*人間のからだと発達

  1. 性と生殖の解剖学と生理学
  2. 生殖
  3. 前期思春期
  4. ボディイメージ

*セクシュアリティと性的行動

  1. セックス、セクシュアリティ、生涯にわたる性
  2. 性的行動と性的反応

*性と生殖に関する健康

  1. 妊娠と避妊
  2. HIV/AIDSのスティグマ、ケア、治療、支援
  3. HIVを含む性感染症リスクの理解・認識・低減

いかがでしたでしょうか?
「誰もが安全に、自分の権利を大切に守って生きていくことができる」世の中を目指した内容になっており、中には「障害のある方などの社会的弱者を守っていこう」という非常にリベラルなものとなっています。

また「ジェンダー」の問題も含まれていますし「メディア・リテラシー」なども含まれており、いずれにせよ「生きていく上で大切な自己決定権」を述べたものとなっています。

今回は簡単ですが「包括的性教育」に関してご紹介させていただきました。
日本ではどうしても「性教育=生理や避妊のこと」という根強いイメージがあるようですし、今の40代以降の方になると「女子だけが性教育を受けていた」というイメージを持たれている方も多いようですが「誰にでも」必要なものです。

また、コロナウィルスの影響で日本でも少しずつリモートワークなどが進んでいますが、相変わらず「長時間労働」が続いており、その影響で、日本は世界的に見ても「父親が子育てに関わりづらい」国となってしまっています。
ハーバード大学の調査によりますと日本の「子育ては女性の仕事で、男性は外で働くべき」という思い込みは相当根深いものがあり、今後もしばらく続くのでは、とされておりますが、そのような中でこそ、「性教育」の大切さを今一度見直し、お父様も子育てに、可能な範囲で関わってみて欲しく思います。

お子様の「性教育」を通して、ご両親もこれまでの考え方を振り返る機会となります。ぜひ「包括的性教育」について関心をもっていただければ幸いです。

【参考書籍】
ハーバードの日本人論 (中公新書ラクレ 658)
親子で話そう! 性教育
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ツキとナミ 運営事務局
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