妊活でよくあること~妊活の現場から~Vol.1

今回は「妊活中によくあること」について、私が妊活ケアをさせていただいた方の体験を交えながら2回に渡ってお伝えします。

私は助産院を開業して3年ですが、その間に2名の女性の継続的な妊活ケアをさせていただきました。

お二人とも3年以上妊活されていましたが妊娠せず、月経が来る度に落ち込み心が折れて、「これからどうしたらいいのか分からなくなった」とご相談くださいました。

お一人は30代前半、もうお一人は30代後半でした。年齢を重ねるごとに卵巣機能は低下して妊娠はしにくくなっていきます。女性にとって妊娠には年齢の壁があるので、1年でも早く、1か月でも1日でも早く妊娠したいと妊活されていたお二人の焦るお気持ちはとてもよく分かりました。

お二人とも不妊治療のクリニックに受診されてはいましたが、カウンセリングを受けられるクリニックではなかったために、医師とのやり取りで分からないことや心配なことがあっても相談できない環境でした。初めてお会いした時には「検査結果で問題は無いのに何故妊娠できないのか?」「子どもを中絶する人がいるのに子どもが好きで欲しいと思っている自分は何故妊娠しないのか?」とつらい気持ちを表出してくださっていました。

妊娠を望んでいるのに妊娠しない期間が長くなればなるほど、なりたい自分になれないつらさから、理想を叶えている人に対してネガティブな感情を持つようになり、好きなはずの子どもの姿や妊婦さんを避けるようになったりします。

そして、妊活が長引くと夫婦関係がギクシャクすることもよくあります。

不妊治療で心身に負担がかかるのは圧倒的に女性側です。受診日は生理周期により変化するので、仕事をされている場合は受診のために前もって休みを予定することができず、急に休まなくてはいけなくなったり、遅刻や早退をしなければいけなくなることもあります。クリニックによっては、診察を受けるまでに1時間以上待たされることもあります。治療は注射や検査で痛みも伴いますし、内診台に上がって診察を受けるたびに羞恥心も伴います。薬を忘れず内服したり、場合によっては自己注射もしないといけません。しかし男性は仕事の都合を優先して排卵時期にタイミングがとれなかったり、精液検査や採取も乗り気になってくれないということがあります。すると女性は「私はこんなに頑張っているのに夫は何も分かっていない。」「不妊治療のことを話しても反応がない。」と不満でいっぱいになります。不満は直接言えたら良いのですが、不満が蓄積されると段々と言いづらい雰囲気になっていきます。本来妊娠というのは夫婦が愛し合った結果なのに、「妊娠すること」に重点を置くようになってしまうと、夫婦関係がおかしくなるという矛盾が生じます。妊活していることを親や友人にも言えず気軽に相談することもできない、そして一番寄り添って欲しい夫にも大変さやつらさが分かってもらえないとなると、女性はどんどん孤独になっていきます。

他にも、仕事や治療費のことなど、さまざまなストレスを抱えることによって心身に不調が出ることもあります。そしてストレスによる心身の不調は、排卵障害や生理不順の原因にもなります。いくら生殖医療が進んでも、「心」が置き去りになっては治療の効果は低くなってしまいます。だから不妊治療では「ストレスや家族間の問題を軽減・解決すること」も非常に大切なのです。

今回はここまでです。

次回は妊活されていたお二人がどのようにして妊娠に至ったかについてお伝えします。

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WRITER PROFILE

前田陽子
看護師・助産師。彩り助産院 院長。助産師を世間に「普及」させ活用してもらうこと、自分に関わった人は必ず助ける「不救」。2つの「ふきゅう」の精神で活動中。妊産婦整体を取り入れ、妊活中~産後までのケアを訪問で行うとともに、中学校での命の講座、企業でのセミナーも開催している。 彩り助産院 http://www.midwifemap.com/irodori/mysite/ Facebook https://www.facebook.com/yoko.maeda.714 Instagram https://www.instagram.com/yoko.maeda.714/ Twitter https://twitter.com/G8RURfWZY2Kl7OD note https://note.com/020415/
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