
子育て
「性教育」を中心に、学校では教えてくれない子育てに関する知識・考え方を掲載。自分や自分のまわりにいる人たちを大切にするための情報を発信していきます。
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「世界の女性や子どもが置かれている状況を知る」パート17 〜災害と子どもの心のケア【後編】〜
災害と子どもの心のケアは、今回は最後となります。前編では、主に子どもの心のケアで大切な4つのことを紹介しました。中編では、被災した子どもに起こる反応を年齢別に示し、その対応策をお話しました。今回は、子どもの被災場面を再現した遊びや専門的な治療が必要なとき、子どもをケアする大人のケアについてお話します。 1. 被災の様子を再現した遊び 子どもは、被災した後に被災の様子(地震や避難など)の絵を描いたり、被災した場面のごっこ遊びをすることがあります。大人はびっくりすることでしょう。大人の言葉をそのまま真似たり、テレビなどを見た様子を語ったりします。 子どものこのような行動は、遊びを通して気持ちを整理したり表現したりしている様子であり、子ども自ら回復しようとする過程で見られる行動です。基本的に、やめさせることなく見守ってください。無理に否定したりやめさせたりすると、子どもの気持ちを表現する場がなくなってしまいます。子どもが言葉に出している様子を受け止めてあげましょう。 反対に、大人が子どもに被災の体験を無理に話させることは避けなければなりません。嫌がる子どもに衝撃を再現させるよう行為となります。子ども自身が話したいかどうかが大切です。 2. 専門的な支援が必要なとき 周りの大人が一生懸命にケアをしても症状が非常に強く出る、時間がたってもおさまらないといった場合には、専門家の支援が必要です。次のような症状がある場合は、精神科・心療内科などの専門医に相談しましょう。または、保健所、養護教諭などに相談し、適切な診療科につないでもらいましょう。
もっと読む11月 10. 2021#カウンセリング -
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「世界の女性や子どもが置かれている状況を知る」パート16 〜災害と子どもの心のケア【中編】〜
前編では、災害と子どもの心のケアについて大切な4つのことについてお話しました。今回の中編では、被災した子どもに起こる反応を年齢別に示し、その対応策をお話します。是非参考にしてくださいね。 子どもの年齢別心のケア 子どもが被災すると、様々な症状が出ますが、子どもは自分でその気持ちを伝えることができないことも多いものです。そして、大人もどのように対応したら良いものか戸惑うことも多いと思います。ここでは、幼児期・学童期・中学生と高校生に分けて、年齢に応じた起こりやすい反応と対応策についてお伝えします。 ①幼児期(5歳くらいまで) 安全だった世界がなくなったと感じています。そのため、安全でいることを確認するために、家族への依存が強まるような行動をすることがあります。 ②学童期(小学生) 小学生でも赤ちゃん返りの行動が起こります。 ③中学生・高校生 この年齢の子どもは大人とほとんど同じような反応があります。活動的だった子どもが引きこもるようになったり、うつ傾向になったりすることがあります。
もっと読む11月 9. 2021#もしものとき -
子どもの起立性調節障害② 子どものジレンマと親の葛藤
前回は、1年間続いた娘の体調不良が、起立性調節障害によるものだったということをお伝えしました(子どもの起立性調節障害① 発覚までの1年間)。診断後、漢方を処方してもらい、しばらく様子を見ることになりました。今回は、起立性調節障害と診断されてからの生活をお伝えしたいと思います。 同じ病気を抱える子どもたちや親御さんたちと気持ちを共有できればいいなと思っています。 思わぬ副産物 効率の良い勉強法が見つかりました 毎朝、早く支度をしなさいと怒りまくっていましたが、さすがにそれはなくなりました。 ですが、休みが続いたり、遅刻ばかりしていると、学校での勉強が遅れるのではないかと心配になるのが、親心です。とにかく、大幅に勉強が遅れないようにと、教科書に沿った形で勉強できる4教科がセットになったドリルを購入し、学校を休んだ日は、教科書を見ながらそのドリルをしていくことにしました。起立性調節障害から来る体調不良により、なかなか登校できず、勉強に遅れてしまうことで不登校を招いてしまうこともあるようです。できるだけ、そういったことにならないために不安の種を取り除いていくことが、子どものストレス軽減にもなるように感じました。 自律神経の不調はストレスも大きく関わっていて、できるだけ、ストレスをためない生活をすることが大切なのです。そのため、その日のうちに勉強する量は決めず、好きな教科からできる分だけ勉強するというスタイルを取りました。 そうすると、今までなら勉強となるとすぐに集中力が切れていたのに、好きな教科で集中し、その流れのまま他の教科もこなすことで、効率よく勉強することができるようで、親の私が驚くほどの量を
もっと読む7月 29. 2021#ストレス -
子どもの起立性調節障害① 発覚までの1年間
最近、増えている子どもの「起立性調節障害」。小学生から高校生までの思春期に多い病気らしく、近年増加傾向にあるようです。実際のところ、増加傾向にあると言いましたが、昔はただただ怠けているだけだと思われていた態度が実は病気の症状だったのだ、ということなんだろうと思っています。私の娘が、起立性調節障害と診断されるまでの1年間について、親も子どももどうしてできないの…?と悩みつづけた経験をお伝えしたいと思います。 ただダラダラしているだけ? 朝、いつもの時間に起きてくるのですが、ソファーに横になったまま動かない。「早く支度をしなさい!いつまでダラダラしてるの?!」毎日、毎朝、叫ぶ。 娘は小学4年生。モタモタしているからといって、手取り足取り着替えさせないといけないような年齢はとっくに過ぎている。制服は、自分でソファの横まで持ってきている。それでもソファに横たわったまま動く気配がない娘。そうは言っても、刻々と登校時間が近づいてきて、私だけが焦る。ため息と共に、無理やりパジャマを脱がせて、制服を手渡す。そこまでされるとさすがの娘も、ゆったりとした動作ながら着替えだす。 「もうちょっと早く着替えなさいよ!時間がないよ!」 急かしても動きの遅い娘にイライラが募っていく毎日。イライラが少しずつチリのように積もっていくそんな朝。低学年までは朝に強く、なかなか起きられない私を起こしてくれるくらいだったのに…。いつからこんなに朝に弱くなってしまったんだったかな。 頻発する頭痛で脳外科へ 4年生の夏くらいから、よく「頭が痛い」と言うようになりました。この年は酷暑といわれるほど気温も高く、汗だくで登下校やスポーツをする中で、軽い熱中症みたいなものなのかな?と思い、塩分補充のタブレットと水分を取らせて
もっと読む7月 26. 2021#ストレス -
反面教師にしてください!
こんな教育をされて嫌だった
~30歳を過ぎた今でも嫌な気持ちを思い出します~「なんでこんな簡単なこともできないの!」「あんたなんかママの子じゃない!」 しつけのつもりで、あるいはついつい自分の感情の赴くままに、子供にこのような言葉を投げかけていませんか。確かに、子育てはストレスフルです。「これだけはやらないでほしい」というようないたずらを、絶妙に最悪なタイミングでやってしまうのが子供です。しかし、マイナスの感情をそのまま子供にぶつけるのは非常に危険です。私は教育の専門家でも、子育ての専門家でもありません。しかし、私というサンプルを通して一つだけ確かなことは、「親が放った何気ない一言が、いつまでも取れない『棘』のように心に残り続ける」というケースがあるということです。 私は現在30歳を超えております。自分で言うのも何ですが、周囲から明るくてコミュニケーションが上手な人間と映っているはずです。しかし、そんな私でも幼少期に母から言われた言葉に未だに苦しめられています。本記事では、「私が言われて嫌だった言葉」や「その言葉が私に与えた影響」をお伝えします。ぜひ、反面教師としてください。くれぐれも、自分の子供にはマイナスの感情をぶつけてはいけません。 読者の方へ 子供の心を傷つける発言は、いつまでも心に残り続けます。子供への発言や接し方には十分気を付けましょう。 家庭環境の紹介 簡単に、私の家庭環境を紹介します。私の父は国立大学出身で、上場企業に勤めておりました。対して母は、公立中高から女子大に進み、卒業後は中小企業で働いていました。母の家族はいわゆるエリート揃いであり、姉は国立大、妹は医者という家系でした。 強烈な学歴コンプレックスを、私への異常な教育熱に昇華させてしまった
もっと読む5月 20. 2021#コミュニケーション -
子育て世代必見!子育て期間に夫婦喧嘩を避ける方法
妊娠中~子育て期間中に夫婦喧嘩が起きてしまう原因と、解決策の例をお伝えします。 「子供ができてから、夫婦喧嘩が増えた…」「『母になったら女は変わる』って言うけれど、確かに最近なぜか妻がカリカリしている…」 待望の子供が生まれ、幸せな生活がやってくると思っていたら、喧嘩の絶えない毎日。そんな悩みを抱えている夫婦は多いのではないしょうか。実は私も、子供ができてから1年くらいは深刻な夫婦喧嘩が絶えませんでした。(妻が頻繁に実家に帰っていた目的は、育児を手伝ってもらうだけではなかったかもしれません…) 本記事では、これから子供が生まれる、または現在子育て中のパパママ向けに、夫婦喧嘩の回避方法をお伝えします。一児の父である私が、実際に夫婦喧嘩を回避できるようになった方法を、実体験を交えてお伝えします。子育て世代には必見の内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。 なぜ夫婦喧嘩が起きてしまうのか そもそも、なぜ妊娠中~子育て期間中に夫婦喧嘩が頻発しまうのでしょうか。 ①人生初の「自分以外の命に責任を持ち始める」期間だから 夫婦喧嘩が増えるタイミングは「同居開始時」「妊娠中」「子育て開始時」など、夫婦にとって「初めての経験」をしている時が多いと言われています。特に妊娠中や子育て期間は、多くの人にとって人生で初めて「自分以外の命に責任を持つ」という重い現実を背負うことになります。この期間は精神的に緊張状態が続き、些細なきっかけで喧嘩が起きやすいのです。 ②理想(要望)と現実にギャップがあるから 一対一の人間関係で喧嘩が起きるのは、「自分が相手に望む理想姿と現実の姿にギャップがある」ことが原因で
もっと読む5月 19. 2021#ストレス -
「世界の女性や子どもが置かれている状況を知る」
パート1 ~世界の課題や現状を知ることから始まる〜世界には、様々な課題が山積みとなっています。気候変動、貧困、紛争、児童労働、児童婚など挙げればきりがありません。2015年に国連で採択され、国際社会で2030年までに達成しようとSDGsとして17の目標が掲げられました。SDGsとは、「持続可能な開発目標」のことです。人類が安定して暮らし続けられるように、世界の様々な問題を整理し、解決に向けて目標を掲げてやっていこうというものです。 *SDGs:Sustainable Development Goals 女性や子どもに関する課題 SDGsの中でも、女性や子どもに関することを取り上げ、彼らにどのような影響をもたらしているのかをいくつかの記事で紹介したいと思います。主に「女性性器切除」「男子選好(注)」「児童婚」「性的な搾取・売り買い」「教育の不平等」「社会参加」「リプロダクティブヘルスライツ」「ヘルスケアの偏り」などが挙げられるでしょう。 注:男子選好・・・生まれてくる子供を性別で選び、男子であれば出産し女子であれば人工妊娠中絶したり育児放棄したりすること これらは、ジェンダー問題、宗教・慣習の問題、貧困などのくくりで語られることですが、実際に世界の何人が、どのように被害を受けているのか見えづらいことでもあります。可能な限り具体的な数字を出して、全く別の世界を起こっているのではないことを実感してもらえたらと思います。生まれた国や住むエリアによって、女性や子どもは様々な幸せでない境遇に置かれています。 上記に挙げた問題は、一つひとつが独立したものではなく、続いていることが多いものです。さらに、複数の課題を持っていることも少なくありません。例えば、女性性器切除をされた少女が感染症となる可能性、教育の不平等を受けて小学校を卒業できないこと、10代前半で児童婚をさせられ、リプロダクティブヘルス/ライツ(注)のもとで自分の性に関する決定権がないこともあるでし
もっと読む5月 17. 2021#児童婚