災害
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被災後の気になる子どもの行動と対応
災害と子どもの心のケアは、今回は最後となります。前編では、主に子どもの心のケアで大切な4つのことを紹介しました。中編では、被災した子どもに起こる反応を年齢別に示し、その対応策をお話しました。 今回は、子どもの被災場面を再現した遊びや専門的な治療が必要なとき、子どもをケアする大人のケアについてお話します。 被災の様子を再現した遊び 子どもは、被災した後に被災の様子(地震や避難など)の絵を描いたり、被災した場面のごっこ遊びをすることがあります。大人はびっくりすることでしょう。大人の言葉をそのまま真似たり、テレビなどを見た様子を語ったりします。 子どものこのような行動は、遊びを通して気持ちを整理したり表現したりしている様子であり、子ども自ら回復しようとする過程で見られる行動です。基本的に、やめさせることなく見守ってください。無理に否定したりやめさせたりすると、子どもの気持ちを表現する場がなくなってしまいます。子どもが言葉に出している様子を受け止めてあげましょう。 反対に、大人が子どもに被災の体験を無理に話させることは避けなければなりません。嫌がる子どもに衝撃を再現させるよう行為となります。子ども自身が話したいかどうかが大切です。 専門的な支援が必要なとき 周りの大人が一生懸命にケアをしても症状が非常に強く出る、時間がたってもおさまらないといった場合には、専門家の支援が必要です。次のような症状
もっと読む11月 10. 2021#子育て -
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年齢別に分かる被災した子どもに起こる反応と対応
前回では、災害と子どもの心のケアについて大切な4つのことについてお話しました。今回は、被災した子どもに起こる反応を年齢別に示し、その対応策をお話します。ぜひ参考にしてくださいね。 子どもの年齢別心のケア 子どもが被災すると、様々な症状が出ますが、子どもは自分でその気持ちを伝えることができないことも多いものです。そして、大人もどのように対応したら良いものか戸惑うことも多いと思います。ここでは、幼児期・学童期・中学生と高校生に分けて、年齢に応じた起こりやすい反応と対応策についてお伝えします。 ①幼児期(5歳くらいまで) 安全だった世界がなくなったと感じています。そのため、安全でいることを確認するために、家族への依存が強まるような行動をすることがあります。 幼児期の子どもに見られる反応対象方法・夜中に目を覚ます・世話をする人にまとわりつく・体験したできごとを繰り返し話す・表情が乏しくなる・無口になる・眠ることや一人になることを怖がる・赤ちゃんが返りがある・大きな音に驚く・声に出して「大丈夫だよ」と伝える・できごとを繰り返し話すことがあるが、何度でも耳を傾ける・世話をしてくれる大切な人から無理に引き離さない・日常生活をこれまで通りに続ける・スキンシップを大切にする・できごとを無理に思い出させ
もっと読む11月 9. 2021#SDGs -
災害と子どもの心のケアについて大切な4つのこと
今回から3回にわたって、災害と子どもの心のケアについてお話します。災害は、いつ、どこで起こるかわかりません。災害に備えておくことは非常に大切です。その上で、災害に遭ってしまった場合の子どもの心のケアを中心に紹介していきたいと思います。 災害とは 災害とは、自然災害(地震・台風など)や人的災害(紛争・交通事故など)をいいます。 心の傷 身体に傷を負っておらず実際に災害を体験していなくても、身近な人が災害で亡くなったり、テレビなどの映像を見たりして衝撃を受けると心の傷となることがあります。これを「トラウマ」「心的外傷」と呼びます。 被災した子どもにはどんなことが起こるか 子どもは被災した後、起きたできごとを十分に理解できず戸惑うでしょう。戸惑っている気持ちをも表現できないことも多いものです。どのように表現すればよいのかがわからないのです。 世界では、様々な自然災害や紛争が起こり、難民キャンプや避難場所に避難している子どもたちがいます。避難さえできず、子どもを十分にケアできる場所がないことも多くあります。また避難できたとしても、避難場所やキャンプ内での差別、レイプ、暴力などが横行していることも事実です。 避難している人たちの中でこのようなことが起こり、女性や子どもが被害を受けていることが多い傾向です。狭く閉鎖的なコミュニティのため、外部にその状況が出づらい状況です。残念ながら、阪神・淡路大震災のときも性暴力の被害が報告されています。
もっと読む11月 8. 2021#SDGs