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子どもに「ジェンダー平等」を伝えるために、家庭でできることって?|家庭教育研究家 田宮由美先生
男女共同参画社会基本法の施行など大きく転換しつつある社会情勢の中で、ジェンダー平等であることは当たり前になりつつあります。 しかし、日常生活の中ではまだまだ「男らしさ」や「女らしさ」が求められる場面に出くわすことがありますよね。これからのジェンダー平等の社会で生きていく子どもを育ていくうえで、親はどのようなことに気をつければよいか、現役ママライターが家庭教育研究家で家庭教育協会「子育ち親育ち」代表の田宮由美先生にお聞きしました。 「男の子だから」や「女の子だから」という価値観 まだまだ 「男の子なのだから、メソメソ泣かないの」「女の子なのだから、お料理を手伝って」 なんて、日常のふとした時に口をついてしまうお母さんやお父さんも多いですよね。現役の親世代の人たちにも、ずっと昔から脈々と受け継がれてきてしまった性を区別する価値観が根付いてしまっている部分はあると思います。 しかし、これからの時代は男の子だから、女の子だからではなく、個性としてそれぞれの考えや行動を認めることが大切です。 時代に沿った価値観や教育ですから、お母さま世代の方が「男の子だから、女の子だから」とそういう価値観を持ってしまっても仕方ない部分はあると思います。幼い頃から、男らしさや女らしさを言い聞かせると、子どもの心の中に浸透してしまいます。お母さまが実際、そうなのだと思います。 「性別らしさ」に合わない自分を責めてしまう
もっと読む6月 26. 2022#子育て -
思春期からの性教育、どう始める?きっかけ作りのコツ
性教育をしなければと思いつつ、気が付けば息子は中学生。会話をしようと思ってもなかなか切り出せず、子どもからも性の話題をしてくることがないのですが、どうすれば自然に話せるようになるでしょうか?(40代女性・中1の子どもの母) やまがたてるえ/助産師・チャイルドファミリーコンサルタント病院勤務後、自身の妊娠出産子育てを経て、地域子育て支援の活動を15年行なっています。たくさんの親子の子育て相談や、女性ためのカウンセリングなども行っています。子育て支援を、家族支援へとシフトチェンジしたくNPO法人子育て学協会のチャイルドファミリーコンサルタントとしても活動中。現在まで6冊の本を出版。近著は【13歳までに伝えたい男の子の心と体のこと】HP:https://www.hahanoki.com/ 子どもが何歳になっても遅いということはない 「子どもが何歳になったから○○しなくちゃ」という類のお悩みを抱える方は多いです。大概は外から何か言われたことで悩んでいます。そして「もっと早くに手を打っておけば。遅かったかなぁ」と考えてしまったりするのですが、性教育について「遅いことはひとつもない!」
もっと読む6月 10. 2022#コミュニケーション -
「思春期の子ども」とどう付き合ったらいい?
子どもが思春期を迎えるころ、ちょうど親は更年期に差し掛かる。お互いに心身の変化を経験することで関係性にも大きな変化が訪れるーー。多くの家族がそのようなことを経験しているのではないでしょうか。「子どもの思春期ってなんだか付き合い方が難しそう。そこに自分の不調が重なったら、どうしたらいいんだろう...」と不安になるお母様に向けて、助産師/チャイルドファミリーコンサルタントのやまがたてるえさんにお聞きしました。 監修・話題提供やまがたてるえ/助産師・チャイルドファミリーコンサルタント病院勤務後、自身の妊娠出産子育てを経て、地域子育て支援の活動を15年行なっています。たくさんの親子の子育て相談や、女性ためのカウンセリングなども行っています。子育て支援を、家族支援へとシフトチェンジしたくNPO法人子育て学協会のチャイルドファミリーコンサルタントとしても活動中。現在まで6冊の本を出版。近著は【13歳までに伝えたい男の子の心と体のこと】HP: https://www.hahanoki.com/ 思春期は大人になるために必ず通るデリケートな時期 思春期は、子どもの身体が大人になるために
もっと読む6月 7. 2022#コミュニケーション -
子どもに「生理」をどう伝えたらいい?
生理の経血を子どもに見られた時、子どもが思春期を迎える時など、生理の話を子どもにどう伝えるべきか、悩む方も多いのではないでしょうか?子どもへの生理の伝え方について、今回は助産師でチャイルドファミリーコンサルタントのやまがたてるえさんから教えてもらいました。 監修・話題提供やまがたてるえ/助産師・チャイルドファミリーコンサルタント病院勤務後、自身の妊娠出産子育てを経て、地域子育て支援の活動を15年行なっています。たくさんの親子の子育て相談や、女性ためのカウンセリングなども行っています。子育て支援を、家族支援へとシフトチェンジしたくNPO法人子育て学協会のチャイルドファミリーコンサルタントとしても活動中。現在まで6冊の本を出版。近著は【13歳までに伝えたい男の子の心と体のこと】https://www.hahanoki.com/ 生理の話をいつ伝える?ー「性教育は日常」という意識を忘れない まずそもそも、「性教育は日常」なので、一緒にお風呂に入る、�
もっと読む6月 3. 2022#コミュニケーション -
子どもの権利条約を知ろう!子どもの4つの権利って?
皆さんは、子どもの権利条約というものをご存知でしょうか。子どもの権利条約とは、すべての子どもは人権があり、自らの意見を言う権利や育っていくための環境が保証されることが明記されている文書です。この条約について聞いたことがないという方もいることでしょう。今回は、子どもの権利条約についてお話したいと思います。 子どもの権利条約とは? 子どもの権利条約は、正しくは「児童の権利に関する条約」といいます。子どもの基本的人権を国際的に保証するために、1989年に国連で採択された条約です。1990年に発効され、日本は、1994年に批准しています。 4つの権利 子どもの権利条約には、子どもの4つの権利が示されています。 ①生きる権利住む場所があり、食べ物や必要な医療を受けることができるなどの命を守るために必要な権利です。 ②育つ権利遊んだり勉強したりして、生まれ持った自分の能力をのばして成長していける権利です。 ③守られる権利紛争などに巻き込まれたり暴力や搾取、有害労働などを強いられたりしないこと、難民になったら保護されることなどが守られる権利です。 ④参加する権利自由に意見を発表したり、グループを作ったりすることができる権利です。 子どもの権利条約の基本原則 子どもの権利条約の原則的な考え方として、次の4項目が定められています。子どもは大人の付属物や所有物ではなく、一人の人間として大切な存在であることがわかります。 ①生命、生存及び発達に対する権利命が守られて、自分の能力を発揮して成長していける環境(医療・教育・生活支援など)を保証される権利です。 ②子どもの最善の利益
もっと読む11月 16. 2021#SDGs -
被災後の気になる子どもの行動と対応
災害と子どもの心のケアは、今回は最後となります。前編では、主に子どもの心のケアで大切な4つのことを紹介しました。中編では、被災した子どもに起こる反応を年齢別に示し、その対応策をお話しました。 今回は、子どもの被災場面を再現した遊びや専門的な治療が必要なとき、子どもをケアする大人のケアについてお話します。 被災の様子を再現した遊び 子どもは、被災した後に被災の様子(地震や避難など)の絵を描いたり、被災した場面のごっこ遊びをすることがあります。大人はびっくりすることでしょう。大人の言葉をそのまま真似たり、テレビなどを見た様子を語ったりします。 子どものこのような行動は、遊びを通して気持ちを整理したり表現したりしている様子であり、子ども自ら回復しようとする過程で見られる行動です。基本的に、やめさせることなく見守ってください。無理に否定したりやめさせたりすると、子どもの気持ちを表現する場がなくなってしまいます。子どもが言葉に出している様子を受け止めてあげましょう。 反対に、大人が子どもに被災の体験を無理に話させることは避けなければなりません。嫌がる子どもに衝撃を再現させるよう行為となります。子ども自身が話したいかどうかが大切です。 専門的な支援が必要なとき 周りの大人が一生懸命にケアをしても症状が非常に強く出る、時間がたってもおさまらないといった場合には、専門家の支援が必要です。次のような症状
もっと読む11月 10. 2021#子育て -
年齢別に分かる被災した子どもに起こる反応と対応
前回では、災害と子どもの心のケアについて大切な4つのことについてお話しました。今回は、被災した子どもに起こる反応を年齢別に示し、その対応策をお話します。ぜひ参考にしてくださいね。 子どもの年齢別心のケア 子どもが被災すると、様々な症状が出ますが、子どもは自分でその気持ちを伝えることができないことも多いものです。そして、大人もどのように対応したら良いものか戸惑うことも多いと思います。ここでは、幼児期・学童期・中学生と高校生に分けて、年齢に応じた起こりやすい反応と対応策についてお伝えします。 ①幼児期(5歳くらいまで) 安全だった世界がなくなったと感じています。そのため、安全でいることを確認するために、家族への依存が強まるような行動をすることがあります。 幼児期の子どもに見られる反応対象方法・夜中に目を覚ます・世話をする人にまとわりつく・体験したできごとを繰り返し話す・表情が乏しくなる・無口になる・眠ることや一人になることを怖がる・赤ちゃんが返りがある・大きな音に驚く・声に出して「大丈夫だよ」と伝える・できごとを繰り返し話すことがあるが、何度でも耳を傾ける・世話をしてくれる大切な人から無理に引き離さない・日常生活をこれまで通りに続ける・スキンシップを大切にする・できごとを無理に思い出させ�
もっと読む11月 9. 2021#SDGs -
どう切り出す?おすすめ性教育チャンス4選
ツキ ナミちゃん、学校で受けた性教育って覚えてる? ナミ え~、そんなことあったっけ? ツキ ちょっとよく分からない部分があったんだけど、こういうことって誰に聞いたらいいのかな? 早ければ早いほど…でも、もう遅いもあり�
もっと読む11月 9. 2021#子育て -
災害と子どもの心のケアについて大切な4つのこと
今回から3回にわたって、災害と子どもの心のケアについてお話します。災害は、いつ、どこで起こるかわかりません。災害に備えておくことは非常に大切です。その上で、災害に遭ってしまった場合の子どもの心のケアを中心に紹介していきたいと思います。 災害とは 災害とは、自然災害(地震・台風など)や人的災害(紛争・交通事故など)をいいます。 心の傷 身体に傷を負っておらず実際に災害を体験していなくても、身近な人が災害で亡くなったり、テレビなどの映像を見たりして衝撃を受けると心の傷となることがあります。これを「トラウマ」「心的外傷」と呼びます。 被災した子どもにはどんなことが起こるか 子どもは被災した後、起きたできごとを十分に理解できず戸惑うでしょう。戸惑っている気持ちをも表現できないことも多いものです。どのように表現すればよいのかがわからないのです。 世界では、様々な自然災害や紛争が起こり、難民キャンプや避難場所に避難している子どもたちがいます。避難さえできず、子どもを十分にケアできる場所がないことも多くあります。また避難できたとしても、避難場所やキャンプ内での差別、レイプ、暴力などが横行していることも事実です。 避難している人たちの中でこのようなことが起こり、女性や子どもが被害を受けていることが多い傾向です。狭く閉鎖的なコミュニティのため、外部にその状況が出づらい状況です。残念ながら、阪神・淡路大震災のときも性暴力の被害が報告されています。
もっと読む11月 8. 2021#SDGs -
世界の貧困を知ろう!世界の子どもの状況って?
今回は、世界の貧困についてです。皆さんは貧困というと、どのようなことをイメージしますか。お金がなく、食べ物や住む場所がないといったことが浮かぶかもしれません。世界ではどれくらいの人が貧困状態なのか、貧困の子どもたちはどのような暮らしをしているのかを紹介します。 世界の貧困について 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行以前は、推定子どもの6人に1人(3億5600万人)が貧困状態でした。コロナ渦では、さらに流行が落ち着いた後でも子どもたちの貧困は悪化すると推測されています。 以下ユニセフHPから引用> 極度の貧困を表す国際基準は、「1日1.9米ドル未満」で生活する状況です。「世界の経済的貧困状態にある子どもたちの推計:最新情報」(原題:Global Estimate of Children in Monetary Poverty: An Update)によると、極度の貧困状態の子ども3分の2を、社会的なセーフティネットが限られているサハラ以南のアフリカの子どもが占めています。 分析から、極度の貧困状態の子どもの数は、2013年から2017年の間に2900万人減少したとされています。しかし、ここ数年の減少速度は遅く、さらに今後は新型コロナ感染症の流行の影響を受けるリスクがあると考えられています。 子どもたちの暮らし 子どもが貧困であるということは、その親も貧困であることが多いでしょう。親がいない場合もあるかもしれません。親の病気や失業などで親が働けな
もっと読む10月 12. 2021#SDGs -
安全なトイレは当たり前じゃない?世界のトイレ事情
皆さんは、トイレがない生活を想像できるでしょうか。日本では、ほとんどの地域で家庭にトイレがあり、公衆トイレも設置されていますね。ショッピングセンターやビルの中にもトイレがあり、気兼ねなく使用することができます。でも、世界を見回すとトイレがあることが当たり前ではない地域があります。今回は、世界のトイレ事情や不衛生なトイレが健康に及ぼす影響などについてお話します。 世界のトイレ事情 現在、世界の3人に1人はトイレがない状態だと言われています。ユニセフによると、2020年では36億人が安全で衛生的なトイレが使用できない状態です。(2017年のデータでは42億人)このうち4億9400万人はトイレがなく、屋外で用を足しています。(2017年では6億7300万人以上) そして、屋外排泄※1をしている人のうち92%が農村部に暮らしていることが分かっています。2000年以降、ユニセフをはじめ各国の国際協力によって、世界のトイレへのアクセスは改善されつつあります。 しかし、都市部と農村部との格差は大きいままです。世界の人々のトイレの使用状況調査(2020)では、世界人口の54%(42億人)が安全に管理されたトイレ※2を、24%(19億人)が基本的なトイレを利用している一方で、残りの21%の方が清潔なトイレを使用できていません ※1 屋外排泄:道場、森、海岸、その他の屋外で排泄すること。※2 安全に管理されたトイレ:排泄物とほかが接触しないように分けられている。あるいは、別の場所に運ばれて安全で衛生的に処理される設備を備え、他の世帯と共有していない改善されたトイレのこと。基本的なトイレ:他の世帯と共有していない改善されたトイレのこと。 トイレがあるだけでは安心できない
もっと読む10月 11. 2021#SDGs -
世界で望まない妊娠はどのくらい起きている?
「望まない妊娠」と聞いてどのような印象を持つでしょうか。おそらく避妊に失敗した、性暴力を受けたなど様々な状況が浮かぶでしょう。 日本でも望まない妊娠をする女性がいますが、世界に目を向けるとその原因となることが日本とは少し違うことに気がつきます。今回は、世界においてなぜ望まない妊娠が起こるか、コロナ渦での状況、望まない妊娠が女性に与える影響についてお話します。 望まない妊娠の現状 世界の医療団によると「世界における望まない妊娠の数は年間8,000万件、危険な妊娠中絶は2,200万件にも及ぶといわれています。妊娠中絶が処罰の対象であったり、非難を浴びたりする国がたくさんあります。そのため、女性たちは秘密裏に危険な中絶処置を受けるしかありません。このような危険な中絶処置が原因の合併症による死亡は、年間5万人にも及ぶと推定されています」と記載されています。 望まない妊娠はなぜ起こるか 望まない妊娠はどのようなことがきっかけで起こるかを考えてみましょう。まずは、幼いときに結婚を強制される児童婚が挙げられます。児童婚は、多くは結婚相手から家族が経済的援助を受けるために行われ、子どもは暴力や監禁に近い状態で暮らしていることがあります。未熟な子どもでも当然、妊娠する可能性はあります。 また、性犯罪によって妊娠するケースもあります。中絶を処罰の対象としている国では、安全な中絶処置が受けられないため、危険な処置を受ける人もいます。さらには適切な避妊手段が利用できないことも原因の一つです。避妊具が手に入らない、買えない、相手に使ってもらえないことがあります。コ�
もっと読む9月 30. 2021#SDGs