月経(生理)が定期的にこなくて、お悩みという方は多いのではないでしょうか?
今回は助産師の前田陽子先生に、月経不順の対処方法についておうかがいしました。
前回の記事では「月経不順」「月経不順の原因」「月経不順に隠れている疾病」についてお伝えしています。まだお読みでない方は、前田助産師に教わる 月経不順についてよりお読みください。
月経不順の対応の大切な3つのポイント
今回は、月経不順の対応で大切な3つのポイントを紹介します。
ポイント1:基礎体温で月経周期を把握する
まずは自分の体に興味を持つことと現状を知ることが大切ですので、基礎体温を測定・記録して月経周期の経過を3ヶ月間は確認してください。
ポイント2:女性ホルモンのバランスを整える
女性ホルモンのバランスを整えるために、普段の生活のなかで、様々な工夫ができます。
1)規則正しい生活をする
毎日同じリズムで生活することで体調も整います。シフト制で不規則な時間で仕事をされている方は、毎日同じリズムでの生活とはいかないので、特に睡眠や栄養を適切にとることを意識して体調のコントロールをしましょう。
2)1日に必要な栄養・カロリー・水分を摂る
栄養とカロリーは違います。偏った食事は生活習慣病の原因にもなりますので、バランスの良い食事を心がけ、太りすぎ・やせすぎにならないようにしましょう。
適切な食事の内容は年齢や活動量によっても違います。食事バランスガイドを参考にしてみてください。
3)無理なダイエットはしない
無理なダイエットはストレスとなるばかりではなく、栄養状態が悪くなり脂肪が極端に減ってしまう可能性があります。
女性ホルモンの分泌には脂肪中に存在するホルモンも関係していますので、ダイエットは時間をかけて無理なく栄養を適切に摂りながらしていきましょう。
体重を減らすペースは1か月間で現在の体重の5%以内を目安にしてください。60㎏の人であれば、1か月間で3㎏までが理想的です。しかし一気に減らすのではなくて1か月かけて徐々に減らす必要があります。「ラストスパートをかける」ということがないようにしてくださいね。
4)適度な運動をする
適度な運動は、月経痛を改善する効果も報告されています。ウォーキング・ストレッチ・ラジオ体操・ヨガなど、無理なく毎日楽しく続けられる運動が理想的です。激しく、無理しないとできない運動は、ストレスとなったりエネルギー不足で月経不順になることがあります。
5)睡眠を十分にとる
睡眠は月経のサイクルを整えるのに重要です。夜勤などで睡眠が十分にとれない女性では、月経不順や月経痛が多いという日本の報告があります。月経不順や月経痛がある方は、意識して睡眠をしっかりとるようにしてください。
6)喫煙や受動喫煙を避ける
タバコに含まれている有害物質が卵巣の働きに悪影響を与えます。ニコチンは卵巣の血流を減らし、卵子の質や女性ホルモンの働きを低下させます。
副流煙は主流煙より有害物質の成分の量が多いと言われていますので、受動喫煙も避ける必要があります。
飲食店は禁煙のお店を選びましょう。分煙をしていたり喫煙ルームがあるお店であっても、副流煙は流れてきますので避ける方が無難です。
7)ストレスを軽くする
仕事や人間関係で体調が悪くなるほどのストレスを感じているなら、ストレスを軽くする方法を考えてみましょう。
仕事内容や就業時間の調整は上司に、人間関係の悩みは信頼できる人に相談してみましょう。家族や友人に相談するのも良いですが、カウンセラーなどのプロに相談する方が良い場合もあります。
産業医がいる場合は、産業医に相談するのも選択肢の一つです。今の職場や働き方に囚われず、まずは自分の体調を健康に保つことができるように考えてみましょう。
ポイント3:月経不順が続く場合は産婦人科を受診する
自分の月経周期を把握して日常生活の見直しと改善をしても、月経不順が3ヶ月以上続く場合は治療が必要な状態となっている可能性が高く、性行為がある場合は妊娠の可能性もありますので、早めに産婦人科へ受診してください。受診の際は、基礎体温を測定・記録して持っていくことで診断が早くつきます。
月経不順が既に3ヶ月以上続いている場合は、基礎体温が測定できていなくても構いませんので、まず受診をしてください。
いかがでしたか?「月経不順」はよく聞く言葉なので、「みんなそうなのかな?」「生理ってこんなものかな?」と安心しがちですが安心してはいけません。月経不順を放置していると「不妊症」になったり、早期に「更年期症状」が出現してくることがあります。
女性ホルモンは「女性を創るホルモン」と言われていますので、女性にはとても大切なホルモンです。今回の記事を参考に、「月経不順」として女性ホルモンのバランスが悪いというサインが出ているのを見逃さずに早めに対処していただきたいと思います。