
子育てや仕事で自分のケアが二の次になってしまったり、月経トラブルや更年期など年齢と共に体調の変化を迎える大人の女性は、心身の調子が優れずにモヤモヤすることもあるのではないでしょうか。
今回は、そんな不調に悩む大人の女性が学びたい、読書の秋におすすめの書籍を4冊紹介します。
『医者が教える 女体大全――オトナ女子の不調に効く! 自分のカラダの「取扱説明書」』宋美玄(ダイヤモンド社)
産婦人科医としてクリニックを開業している宋美玄さんが、働くオトナ女子からよく投げかけられる質問について、医学的に正しい解決策を伝える本です。「生理痛にはあたためるのが一番」「恋愛してないと女性ホルモンが枯渇する」「仕事をしすぎると”オス化”する」…
生理、ホルモン、子宮、妊活など、女性の健康や美容にまつわるメディアの情報には、医学的に正しくないものもあふれています。それを信じて実践し、痛みや不調が治まらないどころか、知らず知らずのうちに病気を悪化させてしまう女性も少なくありません。
女性の身体は、誰のものでもなく、女性自身のもの。すべてにおいて、選択するのは自分、守るのも自分です。何が間違いで何が正しいのか、どうすれば不調や心配事が解決するのか。「女性の身体についていまの医学のわかっているほんとうのこと」だけをベースにした本書を、自分の身体について自分自身で判断するための「自分のカラダの取扱説明書」にしてみてくださいね。
『ふりまわされない!更年期――母と娘のための「女性ホルモン」対策BOOK』永田京子(旬報社)
更年期の時期といえば、イライラ、うつうつ、ホットフラッシュ、頭痛などのつらい不調に加えて、子供の進学や親の介護など、大きなイベントがやってくるタイミングでもあります。場合によっては、思春期の娘もイライラ・トゲトゲしていて、母娘が激しいバトルをしているなんてケースも。
一見、更年期と思春期は真逆のようにも見えますが、実はたくさんの共通点があります。どちらも性ホルモンの変化にからだと心が追いついていない、大ピンチの状態だということです。ケアや対策によって、ホルモンによるトラブルを回避することができます。
本書には、私達の身体と女性ホルモンの関係、思春期の娘の心と身体、更年期の母の心と身体、思春期vs更年期をうまく乗り切るコツなどがまとめられています。母娘にとって一度きりの人生をごきげんに変える、旅のガイドのような本です。
更年期の症状は人それぞれで多様ですが、身体に起こっている状況を知識として理解しているのといないのでは、気持ちの部分でも大きな差が出てくるものです。
更年期をネガティブなものではなく、ポジティブなものとして捉えられるようになるためのヒントが満載。ぜひ、更年期のタイミングで人生を変えて、自分で自分を幸せにするために本書を活用してほしいと思います。
『セルフケアの道具箱』伊藤絵美(晶文社)
ストレスがたまって苦しい、人間関係で疲弊している、先行きが不安で眠れない…。
こうしたストレス、不安、不眠などのメンタルの不調から回復する近道は、自分で自分を上手に助ける、すなわちセルフケアをおこなうことです。
洗足ストレスコーピング・サポートオフィスの所長として、30 年にわたってカウンセラーとして多くのクライアントと接してきた伊藤絵美さんが、 その知識と経験に基づいたセルフケアの具体的な手法を100 個のワークの形で紹介します。
裏付けとなるのは、「ストレスマネジメント」「認知行動療法」 「マインドフルネス」「コーピング」「スキーマ療法」といった理論や手法。それらを一般の方がわかりやすいように、可能なかぎり専門用語を使わずに紹介します。コロナ禍で不安を抱える人にもおすすめのワークブックです。
『わたしの心と体を守る本 マンガでわかる!性と体の大切なこと』遠見才希子(KADOKAWA)
「そろそろ性についてしっかり教えなきゃ」「被害者にも加害者にもならないように」「でも、説明するのはなかなか難しい…」
思春期を迎える子供に、「性」のことや、自分を大切にすることについて教えたい。でも、適切に説明できるか自信がない…。そんな多くの親の悩みに応える1冊です。
全国の小・中・高校1000校以上で性教育をおこなってきた産婦人科医の遠見才希子さんが、子供たちにどうしても伝えたいことを、漫画とイラストでわかりやすくまとめています。
さまざまなキャラクターに自分を重ねながら、ストーリーを通して思春期にまつわるさまざまなトピックを等身大の視点で学べます。性と生殖に関する健康と権利などのトピックも分かりやすく解説されています。
子供も大人も気軽に読めて、性についてポジティブに学べる本です。

今回は、大人の女性が学びたい、おすすめの書籍を紹介しました。
ぜひこれらの本を参考にしつつ、自分自身のケアや子育てに向き合ってみてはいかがでしょうか。
〇ライタープロフィール
きのコ
群馬を中心に多拠点生活をする文筆家・編集者。すべての関係者の合意のもとで複数のパートナーと同時に交際する「ポリアモリー」として、恋愛やセックス、パートナーシップ、コミュニケーション等をテーマに発信している。不妊治療や子宮筋腫による月経困難症をきっかけに、女性の身体のことに興味をもつようになった。子無しでバツイチ。著書に『わたし、恋人が2人います。〜ポリアモリーという生き方〜』。