「アロマテラピー」を知っていますか?
アロマテラピーとは、植物から抽出した香り成分である精油(エッセンシャルオイル)を使って、心身のトラブルを穏やかに回復し、健康や美容に役立てていく自然療法です。
今回はさまざまな心や身体の状態によるお悩み別(寝つき・集中力・肩こり・むくみ・冷えなど)に、セルフケアに役立つおすすめのアロマテラピーの方法をご紹介します。
1. 寝つきをよくしたい時の精油と活用法
●精油
・ラベンダー
・オレンジ・スイート
・スイート・マージョラム
●活用法
・芳香浴
芳香浴法とは、精油を拡散して香りを楽しむことで、心と身体のバランスを整える方法です。
ティッシュペーパーやハンカチに1〜2滴垂らしてデスクや枕元に置いたり、アロマポットやアロマディフューザーなどの専用器具を用いるやり方があります。
ラベンダーやベルガモットは性別にかかわらず人気の香りです。
オレンジ・スイートは神経の緊張を緩めてリラックスさせ、ストレスによるイライラの解消や質の高い睡眠に役立ちます。明るく前向きな気持ちに導く作用があり、なじみのあるオレンジの香りは広い世代に人気です。
就寝前にオレンジ・スイートの香りを嗅いだり、就寝中も居室内にオレンジ・スイートの香りを漂わせ続けたりすると、リラックスして熟睡することができ、起床後にすっきりとした目覚めがもたらされます。
スイート・マージョラム精油を使ったアロママッサージも、睡眠の質を向上させる効果があります。
2. 気持ちを落ち着けたい時の精油と活用法
●精油
・ラベンダー
・サンダルウッド
・フランキンセンス
●活用法
・芳香浴
ラベンダーは精油の原料としてよく知られていることもあり、アロマテラピーを始めたばかりの人にはよく利用されています。
ラベンダーには鎮静作用があり、ストレスで緊張した心と身体をリラックスさせます。やさしい香りで、古くからスキンケアに用いられてきました。手作りコスメにもおすすめの精油です。
3. 憂鬱な気分の時の精油と活用法
●精油
・オレンジ・スイート
・ベルガモット
・グレープフルーツ
●活用法
・芳香浴
4. 集中力を高めたい時の精油と活用法
●精油
・ローズマリー
・ペパーミント
・レモン
●活用法
・芳香浴
アロマテラピー歴が長い人にも、ローズマリーは根強い人気があるようです。
ペパーミントは、すっきりとした清涼感のある香りが特徴です。優れたリフレッシュ作用を持ち、ストレスや神経疲労を和らげて眠気を抑え、集中力を高めます。また、鼻やのどなどのコンディションを整える作用もあります。
5. 肩こりをやわらげたい時の精油と活用法
●精油
・ローズマリー
・ラベンダー
・ペパーミント
●活用法
・トリートメント法
トリートメント法とは、精油を希釈したトリートメントオイルを身体や顔に塗布する方法です。
リラクゼーション、保湿、整肌、血行促進、筋肉の凝りをやわらげるなどの効果があります。
やり方としては植物性のオイルをベースにして、精油を1%以下(顔の場合は0.5%以下)の濃度になるように混ぜたトリートメントオイルを、肌にやさしく塗ったりマッサージに活用したりしてください。なお、精油の濃度が高すぎると、肌トラブルの原因になる場合があります。肌に異常を感じたら、すぐに使用をやめましょう。事前にパッチテストをするとより安心です。
6. スポーツ後の筋肉疲労がある時の精油と活用法
●精油
・ペパーミント
・ローズマリー
・レモングラス
●活用法
・トリートメント法
7. 足のむくみを解消したい時の精油と活用法
●精油
・ジュニパーベリー
・サイプレス
・グレープフルーツ
●活用法
・トリートメント法
8. 冷えていると感じている時の精油と活用法
●精油
・ブラックペッパー
・スイート・マージョラム
・オレンジ・スイート
●活用法
・トリートメント法
9. 風邪の予防をしたい時の精油と活用法
●精油
・ティートリー
・ユーカリ
・ペパーミント
●活用法
・芳香浴
10. PMS(月経前症候群)や生理痛がつらい時の精油と活用法
●精油
・ゼラニウム
・クラリセージ
・ラベンダー
●活用法
・芳香浴
多くの女性が経験する月経前の不安定な気分や身体の不調。これが仕事や家庭に支障が出るほどになると、PMS(月経前症候群)と呼ばれます。
ホルモンの変動によって引き起こされ、多くの女性が悩まされているこのPMSや生理痛に対する「香りの効用」が注目されています。
鎮静・鎮痛効果が期待できるラベンダー精油によるアロマテラピーマッサージにより、PMSの症状や生理痛が軽減します。
11. 更年期症状を和らげたい時の精油と活用法
●精油
・ゼラニウム
・クラリセージ
・ローズオットー
●活用法
・芳香浴
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、女性の心身の健康と美しさに大きな影響を与えます。エストロゲンは子宮内膜を厚くするなどの生殖に関する作用だけでなく、睡眠、脳機能、心のバランス、髪や肌の美しさなどにも関わっています。
40代になると更年期を迎え、エストロゲンの分泌は減少し始めますが、それに伴い心身の不調に悩まされるケースが多くの女性で見られるようになりますが、ゼラニウム精油の芳香浴には、更年期特有の症状を和らげる作用があると言われています。
心身のさまざまなお悩み別に、おすすめの精油と活用法をご紹介しました。
もし生活に支障があるほど月経トラブルや更年期障害でつらい場合は、産婦人科・婦人科等の医療機関へ相談することも大切です。
ぜひ、アロマテラピーを使って今日から楽しみながらセルフケアする際のヒントにしてみてくださいね。
〇ライタープロフィール
きのコ
群馬を中心に多拠点生活をする文筆家・編集者。すべての関係者の合意のもとで複数のパートナーと同時に交際する「ポリアモリー」として、恋愛やセックス、パートナーシップ、コミュニケーション等をテーマに発信している。不妊治療や子宮筋腫による月経困難症をきっかけに、女性の身体のことに興味をもつようになった。子無しでバツイチ。著書に『わたし、恋人が2人います。〜ポリアモリーという生き方〜』。