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年齢別に分かる被災した子どもに起こる反応と対応

前回では、災害と子どもの心のケアについて大切な4つのことについてお話しました。今回は、被災した子どもに起こる反応を年齢別に示し、その対応策をお話します。ぜひ参考にしてくださいね。

子どもの年齢別心のケア

子どもが被災すると、様々な症状が出ますが、子どもは自分でその気持ちを伝えることができないことも多いものです。そして、大人もどのように対応したら良いものか戸惑うことも多いと思います。ここでは、幼児期・学童期・中学生と高校生に分けて、年齢に応じた起こりやすい反応と対応策についてお伝えします。

①幼児期(5歳くらいまで)

安全だった世界がなくなったと感じています。そのため、安全でいることを確認するために、家族への依存が強まるような行動をすることがあります。

幼児期の子どもに見られる反応対象方法
・夜中に目を覚ます
・世話をする人にまとわりつく
・体験したできごとを繰り返し話す
・表情が乏しくなる
・無口になる
・眠ることや一人になることを怖がる
・赤ちゃんが返りがある
・大きな音に驚く
・声に出して「大丈夫だよ」と伝える
・できごとを繰り返し話すことがあるが、何度でも耳を傾ける
・世話をしてくれる大切な人から無理に引き離さない
・日常生活をこれまで通りに続ける
・スキンシップを大切にする
・できごとを無理に思い出させない
・楽しみにしていることは続ける

②学童期(小学生)

小学生でも赤ちゃん返りの行動が起こります。

学童期の子どもに見られる反応対象方法
・体験したできごとを繰り返し話す
・同じような体験をするのではないかと不安がる
・学校で集中力がなくなり、成績が下がる
・赤ちゃん返りする(指しゃぶり・おもらし・赤ちゃん言葉になるなど)
・性格・気分・行動が変わる
・無口になる、または反対に攻撃的になる
・できごとは自分のせいではないかと思う
・親の反応に敏感になる
・声に出して「大丈夫だよ」と伝える
・できごとを繰り返し話すことがあるが、何度でも耳を傾ける
・友達と遊べる環境を整える
・自信があることをするように促して褒める
・大きな責任を与えない
・楽しんでやっていることは続けさせる
・赤ちゃん返りの行動を馬鹿にしない
・成績が下がることはあるが、一時的であることを伝える
・時間とともに自分らしさを取り戻すことができることを伝える

③中学生・高校生

この年齢の子どもは大人とほとんど同じような反応があります。活動的だった子どもが引きこもるようになったり、うつ傾向になったりすることがあります。ひどい場合は、「死」を考えることさえあります。周囲の大人が社会活動の場を準備してあげることが大切です。子どもが抵抗なく活動に参加し、人との関わりや活動の楽しさを感じると、回復しやすくなると考えられています。

中学生・高校生の子どもに見られる反応対象方法
・睡眠や食事が普通にとれず、生活リズムが乱れる
・自分の無力さに悩む
・抑うつ的になり、物の見方が悲観的になる
・性格が変わったり、大切な人との関わり方が変わる
・集中力の低下や学業成績の低下
・大人びた行動や態度、反対に反抗的・非協力的な行動をとることがある
・子どもの話に耳を傾ける
・友達は支えとなるため、友達と過ごす機会を尊重する
・罪悪感・無力感・恥ずかしさなどの感情は正常な反応であることを伝える
・手伝いやスポーツなどの体を動かす活動を勧める
・激しい感情の変化や行動には早く気付けるように注意しておく
・楽しみにしていることは続ける
・自分ができることからやるように勧める

次回は、子どもの被災場面を再現した遊びや専門的な治療が必要なとき、子どもをケアする大人のケアについてお話します。

▶第一回:災害と子どもの心のケアについて大切な4つのこと
▶第三回:被災後の気になる子どもの行動と対応

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