子育てをめぐる夫婦喧嘩、どう避ける?どう解決する?

妊娠中~子育て期間中に夫婦喧嘩が起きてしまう原因と、解決策の例をお伝えします。

「子供ができてから、夫婦喧嘩が増えた…」

「『母になったら女は変わる』って言うけれど、確かに最近なぜか妻がカリカリしている…」

待望の子供が生まれ、幸せな生活がやってくると思っていたら、喧嘩の絶えない毎日。そんな悩みを抱えている夫婦は多いのではないしょうか。実は私も、子供ができてから1年くらいは深刻な夫婦喧嘩が絶えませんでした。(妻が頻繁に実家に帰っていた目的は、育児を手伝ってもらうだけではなかったかもしれません…)

本記事では、これから子供が生まれる、または現在子育て中のパパママ向けに、夫婦喧嘩の回避方法をお伝えします。一児の父である私が、実際に夫婦喧嘩を回避できるようになった方法を、実体験を交えてお伝えします。子育て世代には必見の内容になっていますので、ぜひ最後までお付き合いください。

なぜ夫婦喧嘩が起きてしまうのか

そもそも、なぜ妊娠中~子育て期間中に夫婦喧嘩が頻発しまうのでしょうか。

①人生初の「自分以外の命に責任を持ち始める」期間だから

夫婦喧嘩が増えるタイミングは「同居開始時」「妊娠中」「子育て開始時」など、夫婦にとって「初めての経験」をしている時が多いと言われています。

特に妊娠中や子育て期間は、多くの人にとって人生で初めて「自分以外の命に責任を持つ」という重い現実を背負うことになります。この期間は精神的に緊張状態が続き、些細なきっかけで喧嘩が起きやすいのです。

②理想(要望)と現実にギャップがあるから

一対一の人間関係で喧嘩が起きるのは、「自分が相手に望む理想姿と現実の姿にギャップがある」ことが原因です。夫婦間で考えてみると、

「理想:いつも優しく穏やかに接してほしい ⇔ 現実:いつもカリカリしている」

「理想:夫婦で協力して子育てをしたい ⇔ 現実:夫が全然子育てを手伝ってくれていないような感覚がある」

というような状態です。このギャップが生じている原因が分からないと、マイナスの感情が生まれてきてしまいます。

③お互いの状況と考えを理解していない

上記のように、理想と現実のギャップに対する不満があるにも関わらず、相手とコミュニケーションを取らないことで、お互いの考えを理解できないという状態が生まれます。「相手がなぜ怒っているのかわからない」や「相手がなぜ子育てに協力的でないのかわからない」という状態です。

お互いの状況と考えを理解する~妻の言い分~

では、腹を立てている原因にはどのようなものがあるのでしょうか。私たち夫婦の喧嘩の種となった事例についてお伝えします。

①いつもカリカリしているのは「安眠できない」から

妊娠中から子育て期間中、私の妻はいつも「カリカリ」していました。この期間は「様々な不安やストレス、ホルモンバランスの変化などで精神的に不安定になりがち」という話は本当でした。

中でも、私の妻の一番のストレスの原因は「安眠できない」という点でした。妊娠中は夜中に何度もトイレに起きてしまい、まとまった睡眠時間が取れません。お腹が大きくなるとホルモンバランスの変化及び膀胱の圧迫により頻尿になります。特に妊娠後期は2時間に一度くらいのペースでトイレに行っておりました。

出産後は、夜泣きや授乳によってまとまった睡眠時間を確保できない状況が1年ほど続きました。このように、まとまって眠れないことが相当なストレスだったようです。

②「一人でゆっくりお風呂に入っている」のが許せない

私は仕事柄、帰宅が遅くならざるを得ませんでした。22時を超える日も頻繁にあり、出張で長期間自宅を空けることも度々ありました。このため、子供の入浴は妻に頼らざるを得ず、平日は毎日妻が子供をお風呂に入れていました。

出産前、妻は半身浴が大好きでした。週末になると、お気に入りの入浴剤を入れて、1~2時間半身浴を楽しんでいました。しかし、子供ができてからは、一人でゆっくり湯船に浸かる時間をまったく取れなかったと言っておりました。

そんな日々が続く中、子供の寝かしつけまで終わった22時に帰宅して、入浴剤を入れてゆっくりお風呂に浸かっていた私に非常に腹が立っていたそうです。(言われるまで気づきませんでした…)

③家事が雑になったのは「子供の面倒を見ながらだと雑にならざるを得ないから」

批判を恐れずにお伝えすると、妻は出産してから食器の洗い方が「雑」になりました。汚れや油がきちんと落ちていない状態が多く、私は何度かそれを咎めてしまいました。しかし、妻の言い分としては「子供の面倒を見ながらだから、どうしても家事も雑にならざるを得ない」ということでした。

妻からそのように言われてもいまいち納得できなかった私ですが、子供の面倒を丸一日見るという経験をした結果、自分の発言を大いに後悔しました。子供がどれほど「目を離してはいけない存在」か、また子供の面倒を見ながら家事に集中するなど到底できないということを、身をもって知りました。

夫婦喧嘩回避のために~対策とルール~

ここからは、上記が原因で夫婦喧嘩が頻発していた私たちが、喧嘩回避のために取った行動をお伝えします。

まずは、お互い不満に思うこと(主に妻⇒私でしたが)を伝え、原因を探りました。そして原因を解決する方法を一緒になって考えました。

まず、「安眠できない」という問題について。妻は完全母乳を希望しているため、どうしても子供を妻から離して長時間寝かせることは難しい状態でした。このため、休日の昼間に私が子供の面倒を見る時間を2~3時間設け、妻には別室でゆっくり昼寝をしてもらうことにしました。

次に、「ゆっくりお風呂に入れない」という問題について。私はどうしても平日の帰りが遅くなってしまうので、休日の2日間だけは私が単独で子供をお風呂に入れることにしました。週に2日間だけでも、妻が一人でゆっくり入浴する時間を設けることが狙いです。

さらに、「家事に集中できない」という問題について。私は貯金をはたいて、食洗器とお掃除ロボットと乾燥機付き洗濯機を購入しました。出費自体は大変痛かったですが、妻が家事に割く時間が大幅に削減され、妻の時間と心にゆとりが出ました。

このように、話し合いを行うことで「問題は何か」「問題の原因は何か」「問題の原因を解決する対策は何か」「対策を継続するためにはどんなルールを設ければ良いか」ということを探りましょう。上記3つの解決策により、我が家の夫婦喧嘩は大幅に減りました。

おわりに

ここまで、妊娠中から子育て期間中の夫婦喧嘩の原因や解決策についてお伝えしました。いろいろな書籍やサイトには「相手を思いやるのが一番大切です」と書いてありますが、私はこのような「ふわっとした」解決策では意味がないと思っています。

抽象的で目に見えない「気持ち」よりも、相手の問題を解決できる「行動」をとることが最重要だと思います。「温かな思いやり」を原動力とし、「家庭の問題を解決する具体的行動」に移してください。

この記事を書いた人

ツキとナミ運営事務局

この作者の記事一覧
お気に入り 2

同じカテゴリー の他の記事

  1. 子どもと一緒に考えたいデリケートゾーンケアの始め方

    子どもの成長に伴い、デリケートゾーンのケアについて考える機会が増えてきます。しかし、どのタイミングで何をどのように伝えれば良いのか、迷う親御さんも多いのではないでしょうか。この記事では、「子どもと考えるデリケートゾーンケアの始め方」をテーマに、特に女の子のお子さんの乳幼児期・思春期前・思春期以降に分けて、起こりやすいトラブルやケアのポイントを解説します。正しい知識を身につけることで、お子さんが自分の体を大切にする意識を育むきっかけを作りましょう。 産婦人科医 柴田綾子先生 2011年医学部卒業。妊婦健診や婦人科外来のかたわら女性の健康に関する情報発信をおこなっている。著書に『女性診療エッセンス100』(日本医事新報社)など。 子どものデリケートゾーンでよくあるトラブル ーーまず、乳幼児期の子どものデリケートゾーンには、どのようなトラブルが起こりやすいのでしょうか。 乳幼児期の場合、便やおしっこで皮膚が荒れることが多いです。特に下痢や胃腸炎の時は頻繁に便が出るので、お尻をこまめに拭いたり、お湯で流したりすると良いでしょう。その後ワセリンを塗ると皮膚を保護できます。どうして�

    もっと読む
    2025年 06月19日
    #セルフケア
  2. 産前・産後のデリケートゾーンのケアの本当のこと

    出産は女性の体にさまざまな変化をもたらします。特にデリケートゾーンに関しては、妊娠中から産後にかけて特有の悩みが発生します。例えばむくみやおりものの増加、出産後の悪露や会陰切開の痛みなど、どれも日々の生活に影響を及ぼすものばかりです。今回は、産婦人科医の柴田綾子先生からのアドバイスをもとに、妊娠中から産後にかけてのデリケートゾーンの変化や、具体的なケア方法について詳しく解説します。 産婦人科医 柴田綾子先生 2011年医学部卒業。妊婦健診や婦人科外来のかたわら女性の健康に関する情報発信をおこなっている。著書に『女性診療エッセンス100』(日本医事新報社)など。 出産の前後のデリケートゾーンの変化 ーー産前産後のデリケートゾーンのケアについてお聞きしたいと思います。まず、出産の前後でデリケートゾーンがどのように変化するのか、教えていただけますでしょうか。 出産の前は子宮が重くなるので、会陰がむくみやすくなります。また、妊娠中のデリケートゾーンは便秘やむくみ、静脈瘤が原因で腫れることがありますね。そして、妊娠中は免疫の変化でカンジダに感染しやすくなります。女性ホルモンが増えて、おりものが多くなるのも特徴です。 ーー妊娠中の体調変�

    もっと読む
    2025年 06月05日
    #セルフケア
  3. 普段からできるデリケートゾーンのケアって?

    日々の健康と身体的な快適さを保つ上では、デリケートゾーンのケアが大切です。特に、冬の乾燥した季節や生理中など、肌が敏感になるタイミングでは、適切なケアが必要不可欠。今回の記事では、産婦人科医・柴田綾子先生のアドバイスをもとに、おりものやデリケートゾーンの乾燥に対応するセルフケアの方法や注意点、そして性感染症の兆候について解説します。 産婦人科医 柴田綾子先生 2011年医学部卒業。妊婦健診や婦人科外来のかたわら女性の健康に関する情報発信をおこなっている。著書に『女性診療エッセンス100』(日本医事新報社)など。 外陰部やおりものに関するよくあるトラブルと、セルフケアの方法 ーーまず、デリケートゾーンのケアについて伺います。普段の健康な時でもおりものが気になることがあると思いますが、そういった時にどういうケアができるでしょうか。 特に冬のような乾燥した季節は、デリケートゾーンの乾燥からくる症状も増える傾向があります。そのため、普段からできるケアとしては「保湿」が大切です。普段顔に使っている化粧水やボディクリームをデリケートゾーンの皮膚の保湿に使うのも良いでしょ�

    もっと読む
    2025年 05月22日
    #セルフケア
  4. 男性の育休中のおすすめの準備の仕方・過ごし方

    育休を取りたいと考えたり、実際に育休を取ったりする男性が年々増えており、パパも育休について前向きに捉えられるような時代になってきました。一方で、育休取得の準備の仕方や育休中の過ごし方、仕事との両立については手探りという方も少なくないのではないでしょうか。どのような準備や過ごし方の工夫があるのか、家事シェア研究家であり、男性の育休研修の講師も数多くされている三木智有さんに詳しく教えていただきました。 三木智有/家事シェア研究家・NPO法人tadaima!代表・インテリアコーディネーター リフォーム会社でインテリアプランニング、施工管理、営業販売などの業務を経て独立。現在はフリーのコーディネーターとして活動中。家は家族にとって何より”自分らしくいられる居場所”であって欲しい。という想いから、「10年後も”ただいま!”と帰りたくなる家庭」で溢れた社会の実現を目指し、2011年にNPO法人tadaima!を起業。日本唯一の家事シェア研究家として、家事シェアを広める活動を行っている。 男性の育休の現状や課題 ーー男性育休に関する現状を教えていただけますか? まず統計データの話でいうと、2

    もっと読む
    2025年 05月08日
    #コミュニケーション
  5. 家事シェア研究家に聞く!② 家事シェアの4つの型とは

    夫婦・パートナーと家事や育児に取り組む際、「なんだかうまくいかない…」「相手がやってくれなくてイライラする」「自分も頑張っているつもりだけどダメ出しばかりされる」といったお悩みがありませんか?前半では家事シェア研究家である三木智有さんから、家事をパートナーシェアとシェアする大切さやその意義について取り上げました。後半では、引き続き三木さんから、家事シェアの進め方の具体的な方法と、4つの型について教えていただきました。 三木智有/家事シェア研究家・NPO法人tadaima!代表・インテリアコーディネーター リフォーム会社でインテリアプランニング、施工管理、営業販売などの業務を経て独立。現在はフリーのコーディネーターとして活動中。家は家族にとって何より”自分らしくいられる居場所”であって欲しい。という想いから、「10年後も”ただいま!”と帰りたくなる家庭」で溢れた社会の実現を目指し、2011年にNPO法人tadaima!を起業。日本唯一の家事シェア研究家として、家事シェアを広める活動を行っている。 家事シェアの4つの型を知って一番合うものを選ぶ ーー三木さんが家事シェアを具体的にどのように捉えているのかを教えていただけますか? 武道の段階の踏み方に「守破離(しゅはり)」というのがありますよね。守は型を守る段階、破はそれに自分なりの工夫を追加する段階、離は型から離れて自己�

    もっと読む
    2025年 04月24日
    #コミュニケーション
  6. 家事シェア研究家に聞く!① 家事シェアの大切さとは

    夫婦やパートナー間で家事や育児に取り組む際、「なんだかうまくいかない…」「相手がやってくれなくてイライラする」「自分も頑張っているつもりだけどダメ出しばかりされる」といったお悩みがありませんか?家事をパートナーや家族とうまくシェアできていないことが原因かもしれません。「物事を学ぶ際には基本の型を覚えてから少しずつ自分なりにアレンジしていくものなのに、家事については自分の実家のやり方しか参考にできるものがない。だから、基本の型を理解しないまま取り組んでうまくいかなくて四苦八苦しているケースが多くあります」と教えてくれたのは家事シェア研究家である三木智有さん。「家事シェア」という言葉の生みの親でもあり、講演も多く数多く行っている三木さんに、前半は家事シェアの大切さ、後半は家事シェアの具体的な進め方について、詳しく聞きました。 三木智有/家事シェア研究家・NPO法人tadaima!代表・インテリアコーディネーター リフォーム会社でインテリアプランニング、施工管理、営業販売などの業務を経て独立。現在はフリーのコーディネーターとして活動中。家は家族にとって何より”自分らしくいられる居場所”であって欲しい。という想いから、「10年後も”ただいま!”と帰りたくなる家庭」で溢れた社会の実現を目指し、2011年にNPO法人tadaima!を起業。日本唯一の家事シェア研究家として、家事シェアを広める活動を行っている。 家事シェアとは?

    もっと読む
    2025年 04月10日
    #コミュニケーション
同じカテゴリー の記事をもっと読む
TOP